中国人民銀行が定めた「バーコード決済新規制」が施行された2018年4月1日、カード決済最大手の中国銀聯(UnionPay)と、テンセント(Tencent)傘下のWeChat Pay(微信支付)は、QRコード決済における清算(クリアリング)業務での提携を正式に開始したと発表しました。これにより、以前から業界内で噂されていた「銀聯がAlipayやWeChat Payと清算システムで接続する」という内部計画が事実であることが証明されました。
銀聯の公式説明によると、今回の提携は2017年末に中国人民銀行が発表した「バーコード決済業務仕様(試行版)」などの金融監督方針に厳格に則り、テンセント側と合意に至ったものです。
銀聯とWeChat Payによるシステム接続試験、共同運用テスト、および商用化のための仕様確認などの各フェーズはすでに完了しており、稼働準備は万全とされています。今後、銀聯は傘下のアクワイアラ(加盟店開拓・管理会社)に対し、WeChat Payの決済スキームに対応するための規約や開発仕様書、導入マニュアルを順次公開していく予定です。
この歴史的提携の背景には、中国人民銀行がキャッシュレス決済におけるリスク軽減とマネーロンダリング防止のために打ち出した「直連(ダイレクト接続)の禁止」があります。新規制では、サードパーティ決済事業者が商業銀行と直接ネットワークを接続して清算処理を行うグレーな「直連」モデルを禁止し、すべての銀行間決済・清算は、中央銀行のシステムまたは合法的に認可された独立した清算機関を経由しなければならないと規定されました。
中国においてこの合法的な清算機関の資格を持つのは、デビットカード等の決済ネットワークを独占してきた「中国銀聯」と、オンライン決済専門の清算機関として新設された「網聯(ワンリェン / NetsUnion)」の2社のみです。基本的な棲み分けとして、オンライン(インターネット)上の決済清算は「網聯」、オフライン(実店舗)での対面決済清算は「銀聯」が担う方向で調整が進められてきました。
特に新興の網聯は、稼働開始から短期間で340以上の銀行および100以上の決済事業者との接続を完了し、累計取引数は100万件を突破、取扱金額は約3兆元(約51兆円)に達する急成長を見せていました。AlipayおよびWeChat Payも、すでに網聯の清算ネットワークへの接続を完了しています。
これまで絶対的な地位を築いてきた銀聯にとって、網聯の台頭は大きな脅威となっています。そのため、銀聯はオフライン決済における圧倒的なシェアを守るべく、WeChat PayやAlipayとのアプローチを強め、彼らの決済データを自社の清算ネットワークの管理下に置くことを狙ってきました。今回のWeChat Payとの提携はその象徴的な成果であり、今後はAlipayも同様に独自の銀行接続ルートを遮断され、銀聯または網聯の清算インフラに完全に統合されていくと見られています。
情報源:中国銀聯公式発表、業界アナリストレポート
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