中国発の多機能メッセージングアプリ「WeChat(微信)」は、メッセージ送受信だけでなく、旅行予約、公共料金支払い、ショッピング、そして高度なモバイル決済までを網羅した「スーパーアプリ」として君臨しています。その世界における月間アクティブユーザー数(MAU)が、ついに10億人の大台を突破したことが発表されました。
この成長を支える要因の1つが、内包されている決済機能「WeChat Pay(微信支付)」などのデジタルインフラ化です。開発元であるテンセント(Tencent)は、時価総額において一時米フェイスブック(Facebook)を上回るなど、世界的なテックジャイアントとして成長を続けています。WeChatのユーザーアカウント数は前年比15.8%増と堅調に伸びており、デイリーアクティブユーザー数(DAU)も9億200万人に達しています。日々やり取りされるメッセージ数は380億件という驚異的な規模です。
世界全体で月間アクティブユーザー数が10億を超えるメガアプリには、ほかにFacebook、Facebook Messenger、WhatsApp、YouTube、Chrome、Gmailなどが並びます。しかし、これらの米国発アプリのほとんどが世界各国のユーザーに広く分散して利用されているのに対し、WeChatの最大の特徴は「ユーザーの大部分が中国国内または中国語圏に集中している」という点にあります。
英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)の報道によると、近年では東南アジア、他のアジア地域、ヨーロッパ、そして米国でもWeChatアカウントが増加傾向にあります。ただし、その主な背景には、海外に在住する多くの華人や留学生、ビジネスパーソンが、中国本土の友人や家族、取引先との円滑な連絡手段としてWeChatを利用しているという現実があります。
日本国内でもインバウンド対策としてWeChat Payの導入が急増していますが、アプリ自体のローカル化や非中国語圏の一般ユーザーへの浸透は依然として大きな課題です。「中国最強のスーパーアプリ」が、真に世界的なユニバーサルプラットフォームへと進化できるのか、今後のグローバル戦略が注目されます。
情報源:Financial Times、LEI
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