中国発の2大モバイル決済プラットフォームである「WeChat Pay(微信支付)」と「Alipay(支付宝)」は、中国国内の消費スタイルを一変させただけでなく、世界規模でのグローバル展開(海外進出)を急速に推し進めています。WeChat Payとアント・フィナンシャル(現アント・グループ)が発表したデータによると、これら2大決済サービスの利用可能エリアは、世界約40の国と地域に広がっています。
このうち、WeChat Payのクロスボーダー(越境)決済業務は、香港、マカオ、台湾のほか、日本や韓国を含む20の国と地域をカバーしています。一方、Alipayは38の国と地域をカバーし、世界数十万店におよぶ店舗や観光スポットと連携しています。これにより利用者は、海外でのショッピング、飲食、交通機関、観光名所などで手軽に決済を行うことができます。
特に注目すべきは、WeChat PayとAlipayの双方がクロスボーダー決済において「人民元建ての直接決済」を実現している点です。たとえば、中国人旅行客が海外で買い物をする際、現地通貨に両替する手間が不要となります。導入店舗での会計時にQRコードをスキャンするだけで、システムが自動的に人民元に換算して引き落とす仕組みです。日本国内のインバウンド対策としても、免税店や百貨店を中心にこのシステムの導入が急激に増えています。
しかし、実際の現場での浸透度はまだ道半ばとも言えます。筆者が実際に様々な国でテストした限りでは、スムーズに利用できるのは依然として空港や大手免税店などの主要観光拠点に留まっています。一般的なローカルレストランや街中の店舗では、クレジットカードやUnionPay(銀聯)カードしか使えないケースが多く、特にヨーロッパ圏(ユーロ圏)ではUnionPayすら非対応の場所も少なくありません。中国国内のように「スマホ1つで完全に財布いらず」という利便性を世界中で享受できるようになるには、まだ時間を要するでしょう。
情報源:新華社、テンセント
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