「フランスの若者からテンセント(Tencent)の馬化騰(Pony Ma)CEOへのメッセージ」という動画が中国で話題を集めました。中国で8年間生活しているというフランス人の若者が、帰国時にウィーチャットペイ(WeChat Pay)が利用できず不便に感じたため、早期のフランス市場開拓を訴える内容です。
WeChat Payの海外展開の現実と課題
馬CEOはこの場でWeChat Payの海外展開の現状について説明しました。「現在、パリの大手百貨店や北海道の空港など、中国人観光客が多く訪れる場所ではWeChat Payが利用可能になっている。しかし、あくまで中国人旅行者向けのサービスであり、現地の人々の生活に深く浸透しているわけではない。現地の一般市民向けに本格的に展開するには、各国の金融ライセンス取得など規制対応に時間がかかり、難易度も非常に高い」と率直に語りました。
日本でも同様の状況が見られます。ウィーチャットペイやアリペイは訪日中国人向けには広く普及している一方、日本人の日常決済として利用される段階にはまだ至っていません。
馬化騰CEOが示した8つの提言
この場で馬化騰CEOは、全国人民代表大会(全人代)の代表として提出した8つの重点提言を紹介しました。
- デジタル中国:「インターネット+」から「デジタル経済」へ縦方向に進化し、「デジタル中国」へと横方向に広げる構想
- 工業インターネット:製造業とインターネットの融合による産業高度化
- デジタル文化:コンテンツ産業のデジタル化と文化発信力の強化
- 金融セキュリティ:フィンテック普及に伴うサイバーリスク対策の強化
- 医療・健康:AIと医療データ活用による医療サービスの高度化
- 若者の人材育成:テクノロジー人材の育成と教育システムの改革
- 広東・香港・マカオ大湾区建設:3都市間の多文化共生を強化し、世界的企業の地域統括本部やイノベーション研究開発センターの誘致を推進
- 環境保護:デジタル技術を活用した持続可能な環境政策の推進
デジタル・エコシステム構想の全体像
「デジタル中国」の方向性について、馬CEOは「経済の拡大から、人々の日常生活や行政といった社会の各分野へと、デジタル化の青写真を異なる次元から描くべきだ」と強調しました。インターネットと実体経済を融合させた「デジタル・エコシステム共同体」の形成、そして積極的な国際交流・協力関係の展開が不可欠だとも述べました。
情報源:CNS(中国新聞社)
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