米小売大手のウォルマート(Wal-Mart)が、中国西部エリアの店舗において、アリババ系の決済サービス「アリペイ(Alipay)」の取り扱いを全面的に停止したことが分かりました。一方で、ウォルマートは競合であるテンセント系の「ウィーチャットペイ(WeChat Pay)」の導入は継続しており、大規模な共同プロモーションも実施しています。
ウォルマートは中国国内を5つの営業エリアに分割して展開しており、今回アリペイの利用停止に踏み切った西部エリアには90以上の店舗を構えています。同社は「同地域の店舗においてウィーチャットペイとの戦略的合意に達し、より最適化されたマーケティングコラボレーションを展開していくため」と説明しています。
消費者の選択権を巡る論争へ発展
ウォルマート側はウィーチャットペイの利用に伴う割引キャンペーンなどのメリットを強調していますが、一部の消費者からは「決済手段を制限され、買い物の利便性が著しく損なわれた」との不満の声が上がっています。
中国の法学者や専門家からは、「ウォルマートの決定は、消費者が決済方法を自由に選択する権利を侵害しており、キャッシュレス決済の本来の利便性を損なうものである。市場の自由競争の観点からも問題がある」との懸念が示されています。
アリババとテンセント、小売を舞台にした代理戦争
今回の措置の背景には、中国で激化する「ニューリテール(新小売)」の覇権争いがあります。
アリババグループが複数の小売大手へ出資し、オフライン店舗のIT化を急速に進めるなか、ウォルマートはアリババの競合であるEC大手「京東集団(JD.com)」の株主であり、その筆頭株主であるテンセント(Tencent)と強力なアライアンスを構築しています。自陣営のサービスであるウィーチャットペイを優遇することで、アリババ陣営の切り崩しを図る狙いがあるとみられます。
なお、現時点では北京など他エリアのウォルマート店舗においては、引き続きアリペイの利用が可能であるとのことです。
情報源:北京青年報
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