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    中国「独身の日」にJD.comの取扱高が前年比3倍へ躍進した背景

    中国のメガセール「独身の日」において、直販EC大手のJD.com(京東)が取扱高1271億元(約2.1兆円)を記録し前年比3倍へ急成長。予約購入と当日決済を集中させるアリババとは対照的に、自前で構築した高度なスマート物流インフラと即日配送を武器にする独自の強みを分析します。

    JD.comの自動化されたスマート物流センター
    JD.comの自動化されたスマート物流センター
    JD.comの驚異的な配送スピードを支える、高度に自動化されたスマート物流センター

    中国で年に一度開催されるネット通販の祭典「独身の日(ダブルイレブン、W11)」。中国のEC市場を二分するプラットフォーム大手のアリババグループ(阿里巴巴集団)と、直販EC最大手の「JD.com(京東集団)」の2社合計の取扱高は、期間中に2953億元(約5兆円)という巨額に達しました。特に注目すべきはJD.comの躍進であり、同社のキャンペーン期間における取扱高は前年比で約3倍へと急拡大を遂げました。

    アリババとJD.comにおけるセールス手法の決定的な違い

    アリババが11月11日に記録した取扱高(GMV)は、過去最高を更新する1682億元(約2.8兆円、前年比39.3%増)となりました。一方、JD.comのキャンペーンにおける取扱高は1271億元(約2.1兆円)を記録しました。2016年の実績が401億元(約6800億円)だったのに対し、実質的に3倍以上の伸びを見せた計算になります。

    この急拡大の背景には、両社のセールス展開におけるアプローチの違いがあります。

    アリババは「11月11日」という当日に極端に取引を集中させる戦略をとります。約1週間前から予約注文や買い物カゴへのキープを促し、当日午前0時の瞬間に一斉に決済を行わせることで爆発的な数値を演出します。

    これに対し、JD.comは11月1日から11日までの11日間を「独身の日キャンペーン期間」として設定し、分散して決済を受け付けるシステムを採用しています。これにより、サーバーや決済システム、そして物流網にかかる極端なスパイク負荷を回避し、安定したサービス提供を可能にしています。

    完全自前主義の物流網と「即日・翌日配送」の絶対的価値

    JD.comの基幹ビジネスは、2004年の創業以来一貫して続けている「自社仕入れによる直販型EC」です。「小売業のコアは顧客体験にある」という信念のもと、同社が最も注力してきたのが、注文を受けた商品を極限まで早く届けることです。今回のセール期間中も、受注全体の約85%を11月11日当日までに配送完了・出荷処理したといいます。

    「早く手元に欲しい」という消費者の本質的なニーズに応えるため、JD.comは中国全土にわたる巨大なフルフィルメント・物流ネットワークを完全に自社で構築してきました。

    2017年6月時点で、同社は大型物流倉庫を中国国内に335カ所、配送拠点を6905カ所、さらには地方都市や町を網羅するピックアップステーションを2691カ所設置しています。この独自の配送網は、中国の広大な領土の99%をカバーしており、劉強東(リチャード・リュー)CEOは「年内に100%カバーを達成する」と宣言しています。現在、配送される荷物の92%以上が「当日または翌日」に届くという、日本の宅配便と同等以上の高水準な配送品質を実現しています。

    自動化テクノロジーの導入による効率化

    2017年の「独身の日」に向けて、JD.comはさらに進化したスマート物流システムを本格導入しました。自動仕分けロボットや無人搬送車(AGV)をフル活用し、従来は人海戦術に頼らざるを得なかった大量の荷物の仕分け業務を自動化。仕分け効率を飛躍的に向上させ、物流のボトルネックを完全に解消しました。

    単なる「お祭り騒ぎ」としてのプロモーションではなく、バックエンドの物流テクノロジーと徹底した顧客ファーストのインフラ投資こそが、JD.comが取扱高を3倍に成長させられた真の原動力となっています。

    情報源:Impress

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