中国の国慶節(建国記念日)と中秋節が重なり、8連休となった今年の大型連休(ゴールデンウィーク)。この期間中、WeChat Pay(微信支付)、Alipay(支付宝)、そして中国銀聯(UnionPay)カードの3大決済インフラは、中国人旅行客の海外旅行増加に伴い、海外での利用実績を飛躍的に伸ばした。
WeChat Pay
テンセントが発表した「国慶微信跨境決済報告」によると、WeChat Payの利用者が多かった地域は、順に(1)東南アジア、(2)日本・韓国、(3)香港・マカオ、(4)北米、(5)欧州であった。また、国別の総決済額では、(1)香港、(2)タイ、(3)韓国がトップ3を占めた。現在、海外でWeChat Payを導入している加盟店は13万店舗を超え、13種類の異なる通貨での決済に対応している。
決済ユーザーの属性を見ると、男性が65.4%、女性が34.6%であった。世代別では、1990年代生まれ(90後)が34.7%、1980年代生まれ(80後)が30.8%を占め、若年・ミドル層が海外消費全体の3分の2近くを牽引している。また、中国国内の地域別では、広東省出身の旅行者が最も決済額が多かった。
Alipay
一方、Alipayが公表したデータによると、今年の大型連休中のAlipayによる海外決済総額は、前年同期の8倍以上に達した。ユーザー1人あたりの平均消費額も前年比で約50%の大幅な伸びを記録している。世代別では1990年代生まれ(90後)の比率が44%と半数近くに達し、同世代の1人あたり平均消費額は1,301元(約2万2000円)であった。また、2000年代生まれ(00後)も海外消費の舞台に進出し始めており、1人あたり平均531元(約9000円)を決済している。
人気目的地は香港、タイ、台湾が上位を占めた。Alipayの決済システムは、中国国外で20万以上の店舗に導入されており、18種類の通貨に対応している。利用可能な業種も、飲食店やスーパー、百貨店、コンビニ、免税店、テーマパークなど多岐にわたる。
銀聯(UnionPay)カード
中国銀聯のデータによると、連休中の国内外における総決済額は1.37兆元(約23.3兆円)、決済件数は7億2800万件に達し、それぞれ前年比で36.2%、11.7%増加した。
現在、銀聯はWeChat PayやAlipayなどのモバイル決済の台頭に対抗するため、非接触ICカード決済「Quick Pass(クイックパス・閃付)」の普及を急ピッチで進めている。これは、Apple Pay、Samsung Pay、Huawei Pay、Mi Pay(小米支付)などのスマートフォン決済と提携する形で拡大している。Quick Passの1日平均の決済金額は、今年5月の連休(労働節)時と比較して、今回の10月の連休期間中には50倍以上に急増したという。
とはいえ、中国のモバイル決済市場全体におけるシェア(2017年第1四半期時点)は、依然としてAlipayが54%、WeChat Payが40%を占めており、残りの事業者はすべて合わせても6%に過ぎない。
海外旅行時の必須アイテムである銀聯カードだが、団体ツアーから個人旅行(FIT)へのシフトに伴い、消費スタイルもモノ消費からコト消費、あるいは現地に根ざした「ローカル体験」へと多様化している。決済事業者各社は、この変化に合わせるように海外の加盟店開拓に鎬を削っている。
今後、インバウンド消費の主戦場がモバイル決済へと完全に移行する中で、業界首位であり、来春には日本国内で日本人向けのモバイル決済サービスの提供も画策しているAlipayの動向が、今後の市場形成の鍵を握ることは間違いない。
情報源:今日頭条、ZUU編訳
コメント
...