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    中国モバイル決済調査、Alipayシェアが54%で独占体制を維持

    易観智庫(Analysys)が2016年第4四半期の中国モバイル決済市場報告を発表。市場規模は12.8兆元に達し、シェア54%のAlipayと37%のTenPayが全体の9割以上を占める超二強の寡占構造が浮き彫りとなった。

    中国サードパーティ決済市場シェア
    中国サードパーティ決済市場シェア
    AlipayとTenPayが9割以上を占める中国モバイル決済市場(イメージ)

    調査会社の易観智庫(Analysys)は30日、「2016年第4四半期中国サードパーティ決済・モバイル決済市場調査報告」を発表した。そのデータによると、2016年第4四半期(10〜12月)における中国のサードパーティ決済・モバイル決済市場の取引総額規模は12兆8,000億元(約207兆円)に達し、前四半期比で41.7%増、前年同期比では126%増という凄まじい成長を記録した。

    PCを含むオンライン決済市場全体と比較すると、モバイル決済市場はより極端な市場集中度を示しており、市場全体の9割以上を支付宝(Alipay)と財付通(TenPay/WeChat Payなどを内包)の二大プラットフォームが占めている。易観智庫の統計によると、Alipayの第4四半期における市場シェアは54%に達し、前四半期比で3.7ポイント上昇させており、依然として首位を独走している。一方、WeChat PayやQQウォレットを傘下に持つTenPayの市場シェアは37%となり、Alipayに迫る勢いを維持している。

    易観智庫の分析によると、モバイルEC(電子商取引)の成長がAlipayの圧倒的な取引規模を支える主たる要因となっている。アリババの2016年度第3四半期財務報告によると、モバイル決済による売上は前年同期比73%増を記録し、決済総額全体の80%をモバイル決済が占めるまでになった。特に「ダブル11(11月11日の独身の日ネット通販イベント)」期間中、Alipayを通じたモバイル決済の比率は82%にのぼった。さらに、ライドシェアやフードデリバリー(外食デリバリー)、オンライン旅行予約(OTA)といったリアルライフの多様な実用シーンでの導入が進んだことが、Alipayのオフライン取引規模を大きく押し上げている。また、Alipayはオフラインの決済パートナーとの協業制度を強化したことで、実店舗における取引量を劇的に増加させた。

    さらに、金融エコシステム(総合金融サービス)の構築もAlipayの地位を強固なものにしている。12月末時点で、Alipayアプリ内で手軽に投資できるマネー・マーケット・ファンド(MMF)「余額宝(ユエバオ)」の利回りが再び3%台に乗ったことで、預かり資産残高は8,000億元(約13兆円)規模へ拡大。また、アプリ決済に紐づく独自の消費者信用ローンのサービス「花唄(フアベイ)」の利用者数は、ダブル11の直前に1億人を突破した。これら利便性の高い金融サービスの存在が、決済プラットフォームとしてのAlipayの牙城をさらに強固なものにしている。

    一方で、テンセント(Tencent)が展開するTenPayは、WeChat(微信)とQQの巨大なSNSプラットフォームを武器に、オフラインにおける決済シーンの開拓を推進。QRコード決済の浸透と、手数料還元などのキャンペーンを通じて、日常の少額決済における利用頻度を急速に高めている。また、正月や年中行事で交わされるお年玉機能「紅包(ホンバオ)」や個人間送金など、SNSならではのトランザクションが市場成長の強力な原動力となった。TenPayは第4四半期にオフライン決済の実質的なコントロール力を強め、シェア37.02%を獲得して業界第2位を維持している。

    易観智庫によると、AlipayとTenPayを合わせた合計シェアは91.12%に達しており、両社による完全な二強独占(デュオポリー)状態が定着したと報告。両者の取引量が爆発的に増え続ける一方で、他の決済ベンダーの取引規模は抑え込まれている状況である。

    AlipayはEC決済と余額宝などの高度な金融サービスによって大規模な資金トランザクションを掌握し、WeChat Payは圧倒的なSNSのアクティビティを背景に高頻度な日常決済を制している。業界関係者は、この二強による寡占状態は強固であり、当面の間この基本構造が揺らぐことはないだろうと予測している。

    【解説】当時の中国モバイル決済市場は、アリババとテンセントという二大巨人による激しいシェア争いが極限に達していた時期である。Alipayは淘宝(タオバオ)と金融商品を核とした「重厚な決済」、WeChat Payはチャットと紅包を核とした「軽快な決済」という異なる強みを持っており、これが両輪となって中国社会の完全なキャッシュレス化を推し進めた。この構造は、後発の決済事業者が参入する余地をほぼゼロにするほど強力なものであった。

    情報源: 易観智庫

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