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    オフライン決済でAlipayに迫るWeChat Payの急成長と戦略

    テンセントのCEO馬化騰氏が、WeChat Payのオフライン決済シェアがAlipayを上回ったと言及。KFCやガソリンスタンド、スターバックス等への急速な導入背景と、モバイル決済全体のシェア推移を解説します。取引頻度で圧倒するWeChatと、Eコマースで強いAlipayの势力争いに迫ります。

    WeChat PayとAlipayのオフライン決済シェア争いを表すグラフ

    テンセント(Tencent)の社内全体会議において、同社CEOの馬化騰(ポニー・マー)氏が、「2016年のWeChat Pay(微信支付)のオフライン実店舗における決済シェアはAlipayを上回った」と言及した。これに伴い、テンセントの社内年間最高栄誉であるプロダクト賞「名品堂」と、1.1億元(約18億円)もの巨額ボーナスがWeChat Pay開発チームに授与されたことが分かった。

    WeChat PayとAlipayのオフライン決済シェア争いを表すグラフ

    2016年、WeChat Payはオフライン加盟店の開拓を極めてアグレッシブに進め、これまで第三者決済の導入に慎重であった大企業や基盤インフラへの食い込みを果たした。2016年3月にケンタッキーフライドチキン(KFC)への導入を開始して以来、現在では中国国内のKFC全5,000店舗以上でWeChat Payが利用可能となっている。また5月には、中国石油(シノペック)の直営ガソリンスタンド約1,500拠点にも導入された。

    8月8日には、全国70万以上の加盟店と提携してキャッシュレス推進を狙う「無現金日(キャッシュレスデイ)」キャンペーンを開催。その取引規模は前年同期比で7倍以上に拡大した。さらに12月には、これまで提携が困難とされていたスターバックス中国の2,500店舗以上への一斉導入を実現した。

    また、2016年からはグローバル進出(インバウンド決済)も本格化させており、現在では日本、韓国、タイ、香港など、中国人観光客に人気のある海外11の国や地域でWeChat Payが利用可能となっている。2016年10月時点で、世界でWeChat Payに対応する実店舗は約9万店舗に上り、主要なオフライン決済シーンの約95%をカバーするまでに成長している。

    馬化騰氏が言及した「オフライン決済におけるシェア奪還(QRコードベースの決済)」ではWeChat Payが優勢となったものの、中国のモバイル決済市場全体の取扱総額(流通総額)では依然としてアリババグループ(Alibaba)のAlipayがリードしている。これは、アリババが運営する巨大eコマース「Tmall(天猫)」や「Taobao(淘宝網)」のオンライン決済取引額が圧倒的に大きいためだ。

    中国の調査会社Analysys(易観智庫)がリリースした「中国第三者決済モバイル決済市場2016年第3四半期モニター報告書」によると、2016年第3四半期の中国のモバイル決済取引総額は9兆419億元(当時のレートで約150兆円)に達した。市場シェアでは、Alipayが50.42%でトップを維持し、WeChat Payを傘下に持つTenpay(財付通)が38.12%で2位に位置している。しかし、WeChat Payにとって心強いデータは、王者Alipayとの差が急速に縮まっていることだ。わずか2年前、両社のシェア比率はAlipayが約80%、WeChatが約10%と、絶望的な差が存在していたのである。

    米ベンチャーキャピタルKPCBのパートナーであるメアリー・ミーカー(Mary Meeker)氏が発表した「インターネット・トレンド報告書2016」でも、中国におけるWeChat決済の圧倒的な「高頻度」が強調されている。報告書によると、WeChatユーザーの31%が日常的にWeChatを介した購入・送金を行っており、これは前年比16%増となった。特に月間の決済取引頻度においては、WeChat Payが平均50回を超え、Alipayの5倍近くに達している。この「ソーシャルを起点とした日常的な決済の習慣化」こそが、WeChat Payの恐るべき原動力となっている。

    情報源:第一財経、ChinesePayment翻訳編集

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