Alipay(アリペイ)の持株会社であるアント・フィナンシャル(現アント・グループ)は、米国の老舗国際送金サービス大手マネーグラム(MoneyGram)を8億8,000万ドル(約1,000億円)で買収することに合意し、グローバル事業の拡大を本格化させました。
この買収によって、マネーグラムが世界に有する24億の銀行口座およびモバイルウォレット口座のネットワークと、Alipayの決済、信用評価(ジーマ信用など)、保険といった高度なフィンテック技術が融合することになります。
世界200以上の国と地域をカバーする決済プラットフォームの誕生
この提携により、世界200以上の国や地域の消費者に、より簡単で低コストなデジタル送金・決済サービスを提供することが可能になります。これは、Alipayが掲げる「誰もが公平に金融サービスを受けられる社会(金融包摂:ファイナンシャル・インクルージョン)」の実現に向けた大きな一歩です。
従来の国際送金市場は、マネーグラムやウエスタンユニオン(Western Union)といった大手が、送金手数料や為替レートのスプレッドから莫大な収益を得ていました。しかし近年、PayPal傘下のXoomやWorldRemit、トランスファーワイズ(TransferWise、現Wise)といった低コストなオンライン送金サービスの台頭により、市場の競争環境が劇的に変化しています。
新興国モデルの輸出とグローバル展開の次ステージ
アント・フィナンシャルは次の成長エンジンとして、インドの決済最大手「Paytm」への出資や、東南アジアのローカルフィンテック企業への投資を積極的に進めており、中国で成功した「モバイル決済+生活サービス」のビジネスモデルを海外市場へ輸出しています。2016年には大型資金調達を行い、将来の新規公開株(IPO)準備のために米シリコンバレーでのネットワーキングを進めていました。
アント・フィナンシャルのエリック・ジン(井賢棟)CEOは「マネーグラムの買収は、世界中のユーザーに金融包摂を届けるための重要なマイルストーンです。金融サービスはシンプルかつ低コストで、多くの人が利用できるものでなければなりません。両社の強みを組み合わせることで、米国、中国、インド、メキシコ、フィリピンといった世界各国の重要な送金ルートにおいて、より安全で便利な送金体験を提供していきます」と述べています。
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