
2016年は、中国におけるモバイル決済(QRコード決済)が日常生活に完全に溶け込み、キャッシュレス社会へと急速にシフトした转換期でした。アリババ傘下のAlipay(アリペイ)とテンセント傘下のWeChat Pay(微信支付)による激しいシェア争いが繰り広げられる中、中国の決済業界を揺るがした主要なニュースを月別で振り返ります。
2月:加盟店囲い込みと「QQウォレット」の日本上陸
中国国内では、AlipayとWeChat Payが実店舗での加盟店開拓に奔走。さらに、若年層に強い「QQウォレット(QQ銭包)」も日本進出を発表し、インバウンド対応が本格化し始めました。
- Alipayの信用スコア実験と無人コンビニのトライアル
- 世界初となるマクドナルドWeChat決済(WeChat Pay)旗艦店が誕生
- 中国QRコード決済「QQ」「WeChat」「Alipay」が続々と日本に上陸
3月:Apple Payの中国上陸とAndroid勢の追随
米国に続き、Apple Payが中国国内で正式リリース。これに刺激される形で、サムスン(Samsung Pay)、ファーウェイ(Huawei Pay)、シャオミ(Mi Pay)など、中国メーカー各社も独自のモバイル決済(Android Pay)を次々と立ち上げました。
4月:Alipayの巨額資金調達と日本市場の動向
日本のヤフー(Yahoo!マネー)やLINE Payが「日本版アリペイ」の地位を目指してサービスを拡充する中、Alipayの運営会社であるアント・フィナンシャル(現アント・グループ)が当時としては史上最大規模となる約5000億円の資金調達を発表しました。
5月:フィンテック革命の加速とキャッシュレス社会の到来
中国の決済事業者各社が実店舗のキャッシュレス化を強力に牽引。都市部では現金を持ち歩かない生活が当たり前になりつつあり、世界に先駆けてモバイル決済大国としての地位を確立しました。
6月:銀聯の独占崩壊とWeChat Payの海外統制
長らく決済インフラを独占してきた中国銀聯(UnionPay)の一人勝ち時代が終焉を迎えました。一方で、WeChat Payは海外での決済代行業者やパートナー企業の登録制度を導入し、適法かつ健全なサービス運営のためのガバナンス体制を強化しました。
7月:Alipay+(アリペイプラス)の始動
Alipayはシンガポールにおいて、グローバル加盟店ネットワーク「Alipay+」プログラムをローンチ。海外店舗の決済対応を容易にするこの取り組みには、日本の大手決済事業者も数社参加しました。
8月:銀行連合のゼロ手数料化とQRコード決済の公認
中国の商業銀行12行が「インターネット金融連盟」を結成し、相互間のオンライン振込手数料を無料化しました。また、中国人民銀行(中央銀行)はそれまでグレーゾーン扱いだったQRコード決済の枠組みを正式に認め、業界規範案を提示しました。
9月:銀聯手数料の改定とウォレット引き出しの有料化
中国政府主導の銀聯カード手数料改革(9月6日実施)により、加盟店の負担が軽減された一方で、銀行やサードパーティ決済事業者の手数料収入は減少。これに伴い、WeChat PayやAlipayは個人口座から銀行口座へ出金する際の手数料徴収を開始しました。
10月:国慶節とインバウンド・アウトバウンド決済
中国の大型連休「国慶節」に伴い、中国人観光客の海外旅行ブームが到来。AlipayとWeChat Payは海外での決済利用を促進するため、現地パートナーとの提携を加速させました。
11月:メガバンクのQR決済参入とVRショッピング「Buy+」
メガバンク5行が独自のQR決済サービスの提供を開始し、モバイル決済への対抗姿勢を明確にしました。また、アリババは独身の日(11月11日)イベントにおいて、VR(仮想現実)技術を用いた体験型ショッピング「Buy+」を公開しました。
12月:銀聯のQRコード決済標準の発表
メガバンクやサードパーティ事業者の動きに押される形で、中国銀聯もようやく統一のQRコード決済標準および技術ルールを発表。今後のICカード決済とQR決済のパワーバランスが大きな議論となりました。
2017年1月:ミニプログラムの登場と新トレンド予測
テンセントがWeChatのアプリ内で動作する軽量アプリ機能「微信ミニプログラム(小程序)」を正式リリース。独自のアプリ内エコシステムを構築し、O2O(Online to Offline)や決済シーンに新たな変革を予感させました。
情報源:ChinesePayment編集
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