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    アリババが狙う「東南アジア版Alipay」タイ決済大手へ投資

    アリババ傘下のアント・フィナンシャルによる、タイの決済大手Ascend Moneyへの戦略的出資と事業展開を解説。Alipayの成功モデルをタイへ移植し、電子マネー「TrueMoney」を通じたキャッシュレスエコシステムの構築を目指す同社の、東南アジアにおけるグローバル戦略の全貌に迫ります。

    タイのセブン-イレブンでのモバイル決済対応
    タイのセブン-イレブンでのモバイル決済対応
    タイ国内のセブン-イレブン店舗で展開されるTrueMoney決済サービス

    アリババグループのアント・フィナンシャル(Ant Financial、現アントグループ)は、タイのサードパーティ決済大手であるアセンド・マネー(Ascend Money)の株式20%を取得したことに続き、投資を拡大し包括的な戦略的パートナーシップ計画を発表しました。これにより、中国国内で確立されたAlipay(アリペイ / 支付宝)の成功モデルをタイ市場へ移植・展開することを目指します。

    アセンド・グループ(Ascend Group)の決済部門であるAscend Moneyは、タイの主要なオンライン決済サービス「TrueMoney」や、少額融資(マイクロローン)のライセンスを持つ金融サービスプロバイダ「Ascend Nano」の親会社です。同グループは、タイの大手通信企業であるトゥルー(True)からスピンオフして誕生した経緯を持ちます。

    東南アジアは当時、従来の銀行口座を持たない「アンバンクト(Unbanked)」層が全人口の多くを占めており、クレジットカードの普及を飛び越えてモバイル決済がダイレクトに生活インフラとなる「リープフロッグ(蛙跳び型発展)」が起きているエリアでした。アリババは技術とビジネスモデルのインフラ輸出を通じて、この巨大な新興市場の覇権獲得を狙いました。

    今回の資本提携に加え、両社は製品開発、コア技術、ビジネスモデル、マーケティング運営など、多角的な分野で協力を深化させる戦略的協定を締結しました。

    Alipayのビジネスモデルと成功体験を活用することで、タイの人々がスマートフォンを通じてECショッピング、飲食、タクシー配車、さらには水道光熱費といった公共料金の支払いまでをTrueMoneyアプリ1つで完結できる、シームレスなキャッシュレスエコシステムを構築します。同時に、Ascend MoneyがAlipayのグローバル決済ネットワークと統合されることで、タイのユーザーが世界中でショッピングを行える体制を整えます。

    公開されたデータによると、2016年10月時点でAlipayの海外ユーザー数はすでに2億人に達しており、ユーザー全体の約30%を占めています。Alipayはインド(Paytm)や韓国(Kakao Pay)、そしてタイ(Ascend Money)への投資・提携を皮切りに、グローバルでの事業拡大を加速させ、今後10年以内で世界に20億人のアクティブユーザーを獲得する目標を掲げています。

    バンコクに本社を置くAscend Moneyは、タイ国内だけでなく、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、カンボジアといった近隣の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域へも積極的に展開を進めています。タイの巨大コングロマリットであるCPグループ(Charoen Pokphand Group)の傘下として、金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)の推進を強力にリードしています。

    情報源:Ascend、新華社、CNBC

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