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    大丸松坂屋、WeChat Pay導入でインバウンド需要獲得を加速

    大丸松坂屋百貨店が訪日中国人観光客向けに「WeChat Pay(微信支付)」の全店導入を開始した背景を解説。インバウンド需要が急増する中、顧客利便性の向上と決済の安全性を両立する仕組みや、公式アカウントを活用したマーケティング施策、台湾のHAPPY GOとの提携など多角的な取り組みを紹介します。

    大丸松坂屋、WeChat Pay導入でインバウンド需要獲得を加速

    大丸松坂屋百貨店は、2015年9月30日から、訪日中国人観光客の買い物支援の一環として、中国最大のSNSサービス「WeChat(微信)」が展開している決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」を導入開始した。心斎橋・梅田・京都・神戸・東京・札幌の大丸6店舗、名古屋・上野の松坂屋2店舗のインバウンド重点売場に導入している。

    「WeChat Pay」は中国テンセント社が運営するチャットアプリ「WeChat」がユーザー向けに展開しているモバイル決済サービスである。同サービスの導入により、訪日中国人観光客は、中国国内と同様に、スマートフォンのバーコードやQRコードを会計時に端末にかざすだけで決済できるようになる。日本では、ネットスターズが代理店となって運営し、決済資金は三井住友信託銀行の信託スキームを通じて支払われる。

    WeChat Payは、2015年7月に日本上陸が発表され、大丸松坂屋百貨店では8月中に社内で導入を決定した。採用の決め手となったのは、第一に訪日客の利便性向上に大きく寄与すると判断したからだ。同社におけるインバウンドの売上需要は、2015年の中間決算(3月~8月)において前年比4.5倍に伸長し、中でも中国人の利用者は全体の3分の2を占めていた。インバウンド需要に関しては、百貨店業界において明確な成長マーケットとして捉えられており、社内からも積極的な取り組みが求められていた。

    「導入検討時に、WeChatのアカウント数が約9億、そのうちPayment(決済機能)利用のアカウント数が導入からわずか2年で約4億に達していることを知り、中国現地での生活に広く浸透しているシステムであることを認識しました。実際に現地では少額の買い物から幅広く普及しているという声もあり、純粋に顧客利便性を高めることが、結果としてさらなる需要獲得につながるものと考えました」(大丸松坂屋百貨店)

    また、導入に向けては、三井住友信託銀行の信託スキームを通じた決済資金の支払いが行われるという安全性・信頼性も、決定要因の一つとなった。店員が顧客のクレジットカードなどを預かる必要がないため、顧客の安心感にもつながる。

    (※訳者注:当時の日本では、顧客からクレジットカードやデビットカードを一旦預かってレジに通すオペレーションが一般的でしたが、WeChat Payのようなスマホ画面をかざすだけの決済は、不正利用を防ぎ安心感を与えるものとしてアピールされていました)

    サービス開始から間もない段階ではあるが、1取引あたりの上限額は3万元(約60万円相当)に制限されているシステムでもあるため、極端な高額品よりも一般的な買い物での利用が想定されている。

    「店舗スタッフのオペレーションは、WeChat Pay決済の端末操作と、レジ入金との2段階の処理が必要なため、慣れるまで時間がかかるのではないかと一部で危惧されていました。しかし、事前にネットスターズによる説明会などを開催し、スタッフが事前に操作に慣れていたことで、大きな混乱はなく運営できています。通常のクレジットカード決済のようにカードをお預かりしない点は、お客様にとっても安心材料になっているようです」(大丸松坂屋百貨店)

    また、大丸松坂屋では、WeChat公式アカウントのフォロワー獲得を目的としたキャンペーン「国慶節WeChatシェイクキャンペーン」を実施した。同キャンペーンでは、店内の所定のエリアでWeChatを起動してスマートフォンを振ると、大丸・松坂屋のWeChat公式アカウントが表示され、フォロワーになると「さくらパンダ」のデジタルステッカーがもらえるというもの。

    これは、WeChatユーザーが所定の場所でスマートフォンを振ると、Bluetoothを通じて店内のビーコンから情報が取得できる機能「シェイク(搖一搖)」を活用している。この手法は、中国現地でも店頭で楽しみながら情報を取得し、店舗側の販売促進につなげるトレンドの手法として流行していた。なお、このビーコン技術はネットスターズが提供している。

    大丸松坂屋では、「フォロワー数は増えているものの、まだこれからの取り組みと認識している」とコメント。今後、WeChat上の公式アカウントを浸透させることで、顧客への情報発信やお問い合わせ対応を行い、さらなる固定客化とインバウンド売上の安定化につなげていく方針だ。

    台湾の「HAPPY GO」との連携も推進

    その他のインバウンド施策として、2015年10月20日から12月19日まで、台湾でユーザーが多い共通ポイントカード「HAPPY GO」のキャンペーンにも参加している。大丸松坂屋で買い物をした顧客がキャンペーンサイトに登録することで、0.5%のポイントが還元される仕組みである。「HAPPY GO」は台湾で会員数が1,200万人を超え、ほぼ2人に1人が保有する代表的な共通ポイントカードである。

    情報源:ペイメントナビ

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