中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループ(Alibaba)の創業者であるジャック・マー(馬雲)会長は、韓国国内においてローカルユーザーが日常的に利用できる「韓国版Alipay(アリペイ/支付宝)」を立ち上げる構想を明らかにしました。
韓国の金融業界やIT企業が決済に関する法規制をめぐり議論を重ねる中、アリババが決済ネットワークのグローバル化を加速させています。
韓国パートナーとの連携による「決済サービスの現地化」
ジャック・マー会長は、「Alipayは我々だけが独占する技術ではない。韓国内の優れたパートナー企業を見つけ、Alipayのシステムやノウハウを現地に適した形でローカライズし、共に運営・発展させる道を模索している」と述べました。アリババが海外において、単に中国人旅行者の利便性向上だけでなく、現地住民向けの決済サービス立ち上げの意向を明文化したのはこれが初めての事例です。
これまで韓国市場におけるAlipayは、中国人観光客の消費獲得を狙うロッテ免税店や各種コンビニチェーン、およびソウル市内の公共交通カード(T-money)との決済連携など、インバウンド向けのオフライン加盟店の開拓を中心に行っていました。しかし、今回の構想はこれをドメスティック(韓国国内向け)決済へと転換させることを意味します。
クラウドとビッグデータを武器にしたエコシステム構築
Alipayの強みは、年間数百億件を超える莫大なトランザクション(取引)を停止することなくリアルタイムで処理しきる、強固なクラウドコンピューティングおよび分散型データベース技術です。
この決済インフラとユーザーデータを背景に、アリババは中国国内で画期的なMMF(マネー・マーケット・ファンド)商品「余額宝(ユエバオ)」を大ヒットさせ、さらに民営のインターネット専業銀行「MYbank(網商銀行)」の設立に至るなど、金融エコシステム(フィンテック)を急速に拡大させてきました。
マー会長はこれに先立ち、アリババグループの次世代CEOとして「70後(1970年代生まれ)」世代の代表格であるダニエル・チャン(張勇)氏を指名しました。組織の若返りを図ると同時に、中国国内での新規採用を抑制し、グローバル事業へのリソース集中を明言。今回の韓国版Alipayのローカライズ構想も、そのグローバル戦略の一環として大きな注目を集めています。
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