アリババ傘下の金融ファンド商品「余額宝(ユエバオ)」のヒットに続き、決済サービスAlipay(アリペイ/支付宝)が近々、新たな「信用決済(クレジット決済)」サービスをリリースするとの観測が浮上している。これは、利用限度額1元から最大5000元(当時のレートで約1.6万〜8万円)、最大38日間の無利息期間を設けた「バーチャルクレジットカード」とも言えるサービスだ。Alipay関係者によると、本サービスはすでに社内で仮運用が開始されているが、正式リリース日などの詳細は未公表である。
早くも2013年3月、当時アリババ金融(小微金融サービスグループ)の責任者であった胡暁明(Hu Xiaoming)氏は、銀行のクレジットカード番号の登録や煩雑なパスワード確認を必要とせず、ユーザーがその場で簡単に後払いできる「信用決済」の仕組みを準備していることを明かしていた。浙江省や湖南省などの地方都市でのクローズドテストを経て、上海などの沿岸部大都市へ順次導入していく計画だ。この信用決済は、主にスマートフォンやタブレットからのゲーム内課金や小口ECといったモバイル決済シーンでの利用をターゲットにしている。
このサービス開発を後押しした背景には、当時の中国におけるモバイル決済の「決済成功率の低さ(約38%)」がある。モバイル決済時に銀行のオンラインページへ遷移し、SMS認証やパスワード入力を求めるプロセスは、当時の不安定なモバイル通信環境下では高確率でエラーとなり、離脱を招いていた。
決済成功率を極限まで高めるため、Alipayは銀行を介さない自社完結の信用決済を考案した。アリババの膨大な取引ビッグデータと行動解析を基にユーザーの信用度を評価し、200元から段階的に最大5000元までの与信枠を決定する。ユーザーは38日間の金利ゼロ期間を享受できる一方、加盟店側は0.8%〜1%の決済手数料(コスト)を負担する仕組みだ。
このサービスは、のちに中国で爆発的普及を遂げることになる「花呗(Ant Credit Pay/ファーベイ)」の原型であり、モバイル決済における与信モデルの先駆的な試みとして極めて重要なマイルストーンとなっている。
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