現金を使わないキャッシュレス社会が急速に進む中国の最前線を学ぼうと、福井県内の経営者らで構成された視察団が、浙江省杭州市を訪問しました。スマートフォンを使った決済システムが導入された食品市場や、モバイル決済プラットフォームを運営する企業などを見学し、先進地の取り組みを直接体感しました。
中国のキャッシュレス化を牽引するアリペイとWeChat Pay
中国では急速なIT化とスマートフォンの普及を背景に、キャッシュレス決済が社会インフラとして完全に定着しています。「アリペイ(Alipay)」と「ウィーチャットペイ(WeChat Pay)」という二大モバイル決済アプリは、街の屋台から大型商業施設まで、ほぼすべての決済シーンで利用されています。アリペイを運営するアリババグループによると、アリペイの利用者は中国国内を中心に約6億人に上ります。
視察の目的と参加者
今回の視察は福井商工会議所国際ビジネス委員会が主催しました。日本国内でもキャッシュレス化の進展が見込まれるなか、先進地の最新状況を直接把握し、福井県内の小売業やサービス業でのキャッシュレス普及、および訪日外国人観光客(インバウンド)の受け入れ体制強化につなげることが目的です。県内の小売業者や中国に拠点を持つ製造業関係者ら約30名が参加しました。
アリペイ対応食品市場でQR決済を体験
視察団は、スマートフォン決済が全面導入された食品市場を訪問しました。各店先にはアリペイ専用のQRコードが掲示されており、客はスマホでコードを読み取って金額を送金するだけで支払いが完了します。視察団のメンバーはアプリ決済の実演を間近で見学し、その簡便さと即時性を実感しました。
アリババグループ本社でモバイル決済の戦略を学ぶ
一行はアリババグループ本社も訪問し、アリペイが急速に普及した背景や同社の事業戦略についてブリーフィングを受けました。視察団長の勝木健俊・同会議所副会頭は次のように感想を述べました。
「キャッシュレス化がかなりの勢いで広がっているのを肌で感じた。消費者側にとっては決済方法の選択肢が増え、店側にとっても生産性の大幅な向上につながる。日本でも早急に対応を検討する必要がある」
越境EC・無人コンビニ・無人レストランも視察
視察は7日まで行われ、杭州市のほか上海市も訪問しました。国際的なインターネット通販「越境EC」を運営する企業、スマートフォンアプリで入店・決済を行う無人コンビニ、そして無人レストランなどの最先端施設を巡り、中国デジタル経済の全体像を幅広く体感しました。
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中国決済黎明期から10年以上の取材実績を持つ金融DX実務家、元IBMのエンタープライズITアーキテクト、外資系戦略コンサルティングファーム出身のビジネスアナリスト、およびAI・先端テックスタートアップ陣によって構成される専門リサーチ集団。現地の公式発表・法定開示・登記・特許・学術論文を直接精査し、日本の産業界へ向けて構造的で偏りのない客観インサイトを発信しています。
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