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    Alipayが敷金ゼロの賃貸サービス提供、芝麻信用を活用

    Alipayが北京や上海など主要7都市で「芝麻信用」を活用した不動産賃貸プラットフォームを開始。スコア優良者は敷金や高額な前払い金(家賃3ヶ月分)が免除され、仲介手数料も削減。信用スコアによるレンタル詐欺防止や、中国政府が目指す社会信用システムとの連携を解説します。

    Alipayのスマート賃貸プラットフォーム
    Alipayのスマート賃貸プラットフォーム
    Alipayの「芝麻信用」と連携し、敷金ゼロでのアパート入居を可能にするスマート賃貸サービス(イメージ画像)

    アリペイ(Alipay / 支付宝)は、北京、上海、深セン、杭州、南京、成都、西安の主要7都市において、個人信用スコア「芝麻信用(ジーマ・クレジット)」を組み込んだ新しい不動産賃貸プラットフォームの提供を開始しました。中国全土で100万戸以上の物件が対象となっており、入居時の「敷金ゼロ(デポジットフリー)」を実現することで、若年層の都市部への移住における初期費用負担を劇的に軽減させています。

    中国の賃貸慣行「押一付三」の壁を打ち破るフィンテック

    中国の一般的な住宅賃貸借契約では、古くから「押一付三(ヤーツー・フーサン)」と呼ばれる、敷金1ヶ月分と家賃3ヶ月分を前払いする商習慣が定着していました。これに不動産仲介会社への仲介手数料を加えると、入居時には家賃約4.5ヶ月分に相当するまとまった資金が必要となり、地方から大都市へ出てきたばかりの新卒層や若年労働者にとって極めて重い経済的負担となっていました。

    Alipayが提供するスマート賃貸プラットフォームでは、芝麻信用スコアが一定基準(通常は650点)以上の優良ユーザーであれば、入居時のデポジットや前払家賃の負担が免除されます。また、プラットフォーム内で貸主と借主が直接やり取りできるため、不透明な仲介手数料の削減も可能になりました。さらに、取引履歴やユーザー評価がビッグデータとして蓄積・可視化されるため、深刻な社会問題となっていた偽物件による賃貸詐欺の防止や、悪質な入居者による家賃滞納リスクの軽減にも効果を発揮しています。

    社会信用システムと都市住宅問題へのアプローチ

    近年、急激な都市化が進む中国において、不動産価格の高騰は社会的な課題となっており、政府も若者向けの持続可能な賃貸市場の整備を急いでいました。不動産テック(PropTech)と金融技術(フィンテック)を掛け合わせた今回のイニシアチブは、不動産市場の透明化を促進し、2020年までの確立を目指していた国家的な「社会信用システム」のインフラ構築に向けた大きなマイルストーンとなりました。

    当時、日本の不動産賃貸市場においては、「敷金・礼金」という返還されない初期費用に加えて、連帯保証人または家賃保証会社への保証料支払性が必須の契約体系が主流であり、手続きのオンライン化も進んでいませんでした。これに対し、中国はAlipayのプラットフォーム上で、個人のビッグデータスコアを用いて「連帯保証人」や「デポジット」そのものを不要化し、すべてをスマートフォンのアプリ内で数タップで完結させるという、極めてドラスティックなDXを実現していました。

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