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    中国政府が海外でのカード決済監視を強化、1千元以上を報告義務化

    中国国家外貨管理局(SAFE)による、マネーロンダリング対策を目的とした新たな海外銀行カード決済監視規定を解説。1回あたり1,000元(約1万6,500円)以上の消費取引や現金引き出しが自動報告の対象となり、個人の海外消費と不正送金規制の実態に迫ります。

    中国政府が海外でのカード決済監視を強化、1千元以上を報告義務化

    中国政府は、マネーロンダリング対策および不当な資本流出の抑制に向けた規制強化を推進しています。特に個人が海外で使用する最も一般的な決済ツールである銀行カード(デビットカード・クレジットカード)は、不正な資産移転や汚職資金の還流などの温床になりやすいとして監視の目が強まっています。

    中国国家外貨管理局(SAFE)は同年6月2日に「9月1日より、国内金融機関が発行したカードの海外における現金引き出し情報および消費取引情報を収集する」と発表。さらに8月3日には、カード発行銀行に対し「8月21日より海外取引情報の報告プロセスを前倒しして開始するよう」追加の通知を出しました。

    新規定によると、9月1日以降に銀行カードの海外決済情報をSAFEの外貨管理システムに自動報告する体制を整えられない金融機関は、自社カードの海外決済事業(国際ローミング)の開通や継続が認められなくなります。

    収集・報告の対象となるのは、主に以下の2つの取引データです。

    1. 海外での現金引き出し:海外の金融機関窓口やATMにおいて、国内カードを使って現金を引き出す行為。
    2. 高額な決済消費:海外の実店舗およびオンライン加盟店において、1回あたり**1,000人民元(当時のレートで約1万6,500円)**以上のカード決済を行う取引。

    近年、海外でのキャッシュアウト(カードを使った現金化)を悪用した違法な資産移転が問題視されていました。例えば、一部の海外高級ブティックや時計店などにおいて、国内発行の銀聯(UnionPay)カードでダミーの決済を行い、手数料を引いた現金を現地通貨で受け取ることで、年間の外貨持ち出し枠(個人あたり年間5万米ドル相当)の網をかいくぐる手口(いわゆる「アリの引っ越し」型資金流出)が横行していました。

    SAFEの関係者は、「データの収集は、銀行カードの海外取引履歴と個人の外貨口座情報を照合し、違法な取引パターンをアルゴリズムで検知・取り締まるために不可欠である」と説明しています。

    一方で、一般の消費者や留学生への影響を最小限に留めるため、データ収集はカード発行銀行からSAFEへシステムを通じて直接送信され、個人が別途申請や報告を行う必要はありません。そのため、合法的な観光支出や出張・留学費用などの決済自体が妨げられることはないと説明されています。

    中国人観光客の海外旅行支出は、ECを通じた海外商品の代理購入事業者(代購/ダイコウ)や、個人輸入を行う消費者(海淘族)の増加によって爆発的に成長しており、2016年には年間1,200億ドル(約13兆円)以上の規模に達しました。SAFEは、この巨大なトランザクションの中から不審な資金フローのみをスクリーニングする方針です。

    なお、この規定が適用されるのは「中国国内の銀行が発行した人民元または外貨精算用カード(主に銀聯カード)」であり、海外の金融機関が発行したカードや、Alipay(アリペイ)やWeChat Payなどのサードパーティ型モバイル決済サービスによる取引情報は今回の報告ルートには含まれません(これらは別途、それぞれの決済業者を介した決済監視メカニズムが適用されます)。

    しかし金融の専門家は、「個人が海外で1,000元を超える決済を行うたびにSAFEのデータベースに自動記録され蓄積されるため、長期間にわたり頻繁に高額決済やATM引き出しを繰り返す口座は、不正送金やマネーロンダリングの疑いありとして重点的な監査対象に指定されるリスクが高まるだろう」と警鐘を鳴らしています。

    (情報源:人民日報)

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