中国のEC(電子商取引)最大手であるアリババ グループ(Alibaba Group)が、オーストラリアのメルボルンにオーストラリア・ニュージーランド(ANZ)地域の統括本社を正式に開設した。
アリババの創設者であるジャック・マー(馬雲)氏は式典で次のように語った。
「現地事務所の立ち上げと専門家チームの設置により、オーストラリアやニュージーランドの優れた特産品を、グローバルなアリババのエコシステムを通じて数十億人の消費者に届ける支援をする。アリババは、『あらゆるビジネスの難しさを取り除く(To make it easy to do business anywhere)』というミッションのもと、オセアニアでも企業のデジタル化とグローバル展開を全力でサポートしていく」
マー氏の発表によると、アリババが運営する中国最大のB2C越境ECプラットフォーム「Tmall(天猫)」および「Tmall Global(天猫国際)」には、すでに1,300以上のオーストラリアブランドと、400以上のニュージーランドブランドが出店しており、その多くがこれらのプラットフォームをゲートウェイとして初めて本格的な中国市場進出を果たしたという。2016年11月11日に開催された「独身の日(ダブルイレブン)」グローバルショッピングフェスティバルにおいて、オーストラリアは国別の取引額で世界第4位となるなど、極めて重要な供給源となっている。
今回のANZ統括本社の設立は、現地のオセアニア企業が中国市場で成功を収めるために必要な現地でのコンサルティング、物流アレンジ、プロモーションなどの包括的な支援体制を確立する上で極めて重要な一歩となる。また、アリババにとっては、短期的には越境貿易の活性化を狙い、中長期的には現地企業のグローバル化をインフラ面から支えるエコシステムづくりを意味している。
すでに、アリババのクラウド事業である「アリババクラウド(Alibaba Cloud/旧阿里雲)」は、2016年後半にオーストラリアで商用サービスを開始し、シドニーに初の現地データセンターを開設した。さらに、オーストラリアとニュージーランド国内の1,000店舗以上の加盟店に対し、実店舗向けのAlipay(アリペイ)決済インフラの導入を急速に進めている。
今後は、eコマースの枠を超え、パブリッククラウド、デジタル金融、デジタルエンターテインメント、そしてスマート物流ネットワーク(菜鳥網絡/Cainiao)といった自社の主力事業をシームレスに結合し、オセアニア地域における総合的なデジタル経済圏の構築を目指していく方針だ。
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中国決済黎明期から10年以上の取材実績を持つ金融DX実務家、元IBMのエンタープライズITアーキテクト、外資系戦略コンサルティングファーム出身のビジネスアナリスト、およびAI・先端テックスタートアップ陣によって構成される専門リサーチ集団。現地の公式発表・法定開示・登記・特許・学術論文を直接精査し、日本の産業界へ向けて構造的で偏りのない客観インサイトを発信しています。
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