中国の中央銀行である中国人民銀行(PBOC)は、Alipay(アリペイ)やWeChat Pay(微信支付)などの非銀行系決済機関に対し、顧客から預かった一時預かり金(準備金)を自主運用することを禁止する新たな規制を発表しました。
第一段階として「準備金20%」の預託を義務付け
この新規定により、決済事業者は顧客資金の乱用による金融リスクを防止するため、資金を中央銀行の指定口座に預け入れる必要があります。
2017年4月17日より、決済ライセンスを保有するサードパーティ決済事業者267社は、中央銀行の承認を得て、商業銀行に開設された単一の預託専用口座に、顧客から預かっている資金の約20%を預け入れることが義務付けられます。ここでの「顧客資金(準備金)」とは、ユーザーが決済や送金の過程で決済機関のアカウント内に一時的に留保している、決済機関の所有物ではない資金を指します。
各事業者が預託すべき具体的な金額は、前四半期における1日あたりの平均残高に基づいて算出され、四半期ごとに調整されます。中央銀行の決済部門担当者によると、今回の「20%」という預託比率は、事業者が新しい法規制に適応するための猶予期間として設定されたものであり、将来的には「顧客資金の100%を一元管理・監督する」方針がすでに固まっています。
銀行と決済機関の「直接清算」を断ち切る
この規制は、中国政府がオンライン取引の清算・決済機関(通称:網聯/NetsUnion)を設立したことに伴う一連の金融改革ステップです。
これまでAlipayやWeChat Payなどの大手決済事業者は、多数の商業銀行と個別に直接接続して決済処理(ダイレクト・クリアリング)を行っていました。中央銀行はこれを遮断し、統一された清算プラットフォームを経由させることで、不透明な資金移動を監視し、金融システム全体のリスクを軽減することを目指しています。
決済事業者のビジネスモデルへの影響
今回の法改正は、決済事業者の収益構造に影響を与える可能性があります。
大手事業者はすでに手数料や他の金融サービス(理財商品や融資など)で収益化しているため、直接的な打撃は限定的と見られています。しかし、決済手数料のみに依存し、顧客資金を銀行に預けることで得られる膨大な「利息収入」で運営費を賄っていた小規模な決済事業者にとっては、預託金比率の引き上げは死活問題となり、今後の業界再編の引き金になることが指摘されています。
情報源:中国人民銀行、各紙報道
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