観光庁のデータによると、今年1月から10月30日までに日本を訪れた外国人観光客の数は、推計値で初めて年間2,000万人を突破しました。このインバウンド需要の高まりと同調するように、中国国外でアリペイ(Alipay / 支付宝)を導入した加盟店数も8万店を超えています。
Alipayのグローバル展開において、最も普及が進んだ韓国ではすでに導入店舗数が3万店を突破。これに台湾、タイ、そして日本が続いている状況です。
日本の消費者が日常的にモバイル決済を利用し始める前のこの時期、訪日中国人向けに大手のコンビニエンスストアや家電量販店が一斉にAlipayを導入したことは、後の国内におけるキャッシュレス社会に向けたインフラ整備の強力な呼び水となりました。
現在、Alipayは日本国内において大手クレジットカード会社や決済ゲートウェイ事業者など8社と提携し、稼働中の加盟店は約4,000店舗近くに達しています。
主要な導入店舗カテゴリは以下の通りです:
- 国際空港:成田国際空港、関西国際空港
- 家電量販店:ビックカメラ(BIC CAMERA)、ヤマダ電機、エディオン、ジョーシン(Joshin)
- 百貨店:高島屋、大丸松坂屋、東急百貨店、小田急百貨店、東武百貨店、近鉄百貨店
- 免税店・ディスカウント:ドン・キホーテ、多慶屋、ラオックス(LAOX)
- アパレル・セレクトショップ:ユニクロ、ユナイテッドアローズ(United Arrows)、ビームス(BEAMS)
- コンビニエンスストア:セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート
- ドラッグストア:キリン堂、杏林堂、ウエルシア(Welcia)
当時、決済の利便性そのものは中国国内ほどシームレスではなかったものの、スマートフォンによるモバイル決済に慣れ親しんだ中国人観光客にとって、これらの加盟店拡大は強い購買促進力となりました。
実際に導入した店舗からも、効果を実感する声が上がっています:
- ヤマダ電機の事例: 「これまで中国人観光客の決済は『現金5割、銀聯カード5割』の比率でしたが、Alipayを導入した後は『現金4割、銀聯カード3割、Alipay3割』へとシフトし、利便性の高さから観光客の受け皿として機能しています」
- ドン・キホーテの事例: 「現在、中国人観光客が多く訪れる主要エリアの店舗のうち、95%でAlipayの導入を完了しました。店内の決済全体におけるAlipayの利用率は30〜40%に達し、キャンペーン期間中には60%を超えることもあります」
決済を超えた集客インフラ「口碑(コウベイ)」
店舗に愛される最大の理由は、単なる決済機能にとどまらない、強力なマーケティング・送客機能にあります。Alipayはアプリ内に「海外版口碑プラットフォーム(店舗口コミ・割引サービス)」を統合し、加盟店に精度の高いプロモーション機能を提供しています。
具体的には、ユーザーが決済を完了するとアプリ上に広告バナーや近くの加盟店情報がポップアップ表示され、店舗で使える電子クーポンやキャンペーン情報が配信されます。また、観光客が東京などの目的地に到着した瞬間にAlipayアプリを起動すると、現在地周辺のおすすめ店舗情報が表示されます。このローカル案内バナーのクリック率は驚異の15%を記録しています。
加盟店側はターゲットとするユーザー層を絞り込んでクーポンを配信できるため、費用対効果の高いアプローチが可能です。この「口碑」システムは、日本市場でのリリースからわずか2ヶ月で、すでに約2,000店舗に活用されています。
情報源:Alipay担当者への取材および各種資料より再構成
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