QRコード決済の公式解禁へ:中国人民銀行の新たな規制方針
中国の中央銀行である中国人民銀行の指導下にある中国決済精算協会(Payment & Clearing Association of China)は、決済サービス事業者各社に対し、「バーコード決済サービス規範(条码支付业务规范)」(案)を配布し、業界内での意見募集を開始しました。
本草案は、モバイル端末によるバーコード(QRコード)決済業務を運営する際のセキュリティ基準やルールを明確に定めています。これは、中国人民銀行がセキュリティ上の懸念から2次元バーコード決済の提供を一時停止(禁止)する通達を出した2014年以来、初めて公式にQRコード決済を認める方針転換を示すマイルストーンとなりました。
これまでグレーゾーンで急速に普及していたAlipayやWeChat Payなどの民間モバイル決済に対し、政府が法的な枠組みと統一基準を与えることで、安全かつ健全な発展を促す狙いがあります。
「バーコード決済サービス規範」(案)の主な構成
本ガイドライン案は、以下の6つの章から構成されており、モバイル決済ビジネスの運用全般を網羅しています。
- 総則: バーコード決済の定義、サービスカテゴリ(消費者提示型・店舗提示型)の分類。
- バーコードの生成および受付管理: 暗号化技術、ワンタイムパスワード、デジタル認証、生体認証(指紋・顔認証等)の導入基準と、認証の強度に応じた取引限度額の設定。
- 特約加盟店の管理: 加盟店の実名登録義務、実地審査、および違法行為を行った加盟店の「ブラックリスト」共有・管理。
- リスクマネジメント: 不正利用検出のための評価システムの構築、マネーロンダリング防止(AML)対策、決済資金口座の信託保全。
- コンプライアンスと法的責任: サービスの新規開始、事業変更、廃止時の報告義務と、コンプライアンス違反に対する罰則。
- 附則: 各章に付随する技術標準、実装スケジュールなどの詳細規則。
ライセンス制度の導入予測
業界関係者の間では、この規範の施行により、今後はバーコード決済サービスを合法的に運営するための「バーコード決済業務ライセンス(決済事業免許)」の取得が義務付けられる可能性が指摘されています。
これまでの無秩序な拡大期から、国家による管理監督とセキュリティ標準が統合された「健全な規制の下での急成長期」へと、中国のモバイル決済市場は新たな局面を迎えています。
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