
中国におけるモバイル決済市場が急速な発展を続ける中、国有通信メガキャリアの一角である中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)が新たな動きを見せています。
金融機関向けの資金回収や清算などのB2B決済サービスをフックに、インターネット金融分野へ本格的に切り込む計画が進んでおり、業界内で大きな注目を集めています。アリババやテンセントといったインターネットジャイアントが牽引する金融領域において、巨大な通信インフラを持つキャリアが参入することで、勢力図が変化する可能性があります。
個人向け決済「翼支付(Bestpay)」の成長と限界
中国電信は2011年3月に決済子会社「天翼電子商務有限公司」を立ち上げ、決済ブランド「翼支付(イー・ジーフー、英名:Bestpay)」を通じてモバイル決済、固定電話決済、銀行POS決済を展開してきました。
ユーザーは現在、窓口に行かなくとも「翼支付」アプリを通じて以下のような日常的なサービスを利用可能です。
- 少額送金および口座間移動
- 電気・水道・ガスなど公共料金の支払い
- ガソリンスタンドや一部小売店での支払い
しかし、これらの個人(C向け)サービスは市場競争が激しく、アリペイなどの先行プレイヤーに対して強固な牙城を築くのは容易ではありません。そのため、中国電信はこれまで一般にはあまり知られていなかった「大口取引のバックグラウンドにある金融決済インフラ(B向け領域)」への展開を画策していました。
保険業界との提携:B2B資金清算からチャネル開拓へ
中国電信は、国内の大手保険会社との広範な提携に向けた交渉を進めています。業界や都市の枠組みを超えた広域資金決済サービスを提供することで、保険料の回収・支払清算の自動化をサポートする狙いがあります。
さらに、将来的には中国全土に広がる中国電信の営業窓口(実店舗)において、保険商品の共同販売や代理店としてのサービス提供も視野に入れています。通信網という高度なインフラと、全国をカバーする物理店舗ネットワークのシナジーを活かした独自の金融戦略が、間もなく明らかになると予想されています。
※本記事は現地テックメディア『新浪科技』などの報道を基に構成しています。
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