
中国の大手百貨店チェーンである銀泰商業グループ(Intime Retail、のちにアリババグループ傘下)と、モバイル決済最大手の「Alipay(アリペイ、支付宝)」は、デパート店舗におけるモバイル決済およびデジタル会員サービスの統合に関する戦略的提携を発表しました。
今回の提携により、消費者は銀泰百貨店のレジにおいて、スマートフォン向けアプリ「支付宝銭包(アリペイウォレット)」を用いた完全キャッシュレス決済が可能になります。すでに全国29店舗の銀泰百貨店で導入が完了しており、残る8店舗についても順次対応する予定です。
ネットワーク不要の革新技術「音波決済」
消費者がアリペイウォレットアプリを起動し、対面決済機能である「当面付」を選択すると、以下の2種類の方法で支払いを行うことができます。
1. バーコード・QRコード決済
スマートフォン画面上に表示されるバーコードまたはQRコードをレジ側のスキャナーで読み取り、パスワード(または暗証番号)を入力して支払いを完了させます。
2. 音波決済(音響決済)
ネットワーク接続が不安定なオフライン環境でも利用可能な、アリペイ独自の通信技術です。スマートフォンのスピーカーから超音波信号を発信し、レジ側に設置された専用の集音マイクにかざすことで、約3秒で決済処理が完了します。当時の中国における3G/4Gネットワークの不安定さを解消するための画期的な技術アプローチとして注目されています。

百貨店側がモバイル決済を重視する理由
銀泰商業グループがアリペイ決済の導入を強力に推進する背景には、以下のメリットがあります。
- 膨大な既存ユーザー: アリペイウォレットはすでに中国国内で1億人以上のアクティブユーザーを抱えており、導入直後から高い利用率が見込めること。
- オペレーション効率の向上: 従来の現金決済で発生していた「お釣りの受け渡し」プロセスが不要になり、レジ混雑が大幅に緩和されること。
- セキュリティ対策: 中国の小売店における長年の課題である「偽札」の受け取りリスクを完全に排除できること。
小売業界のO2O(Online to Offline)転換を象徴する、歴史的な取り組みとして注目を集めています。
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