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    「DiDi」中南米での急成長を支える多角化とEV戦略の全貌

    中国発のモビリティ大手「DiDi(滴滴出行)」がラテンアメリカ市場で急成長を遂げています。2025年の国際事業GTVは前年比30%超の伸びを記録。ブラジルでのデリバリー再開や金融展開、EV導入など、多角的なローカライズ戦略を詳説します。

    「DiDi」中南米での急成長を支える多角化とEV戦略の全貌
    中南米市場で急成長を遂げるDiDiのイメージビジュアル
    中南米市場で急成長を遂げるDiDi(滴滴出行)のイメージビジュアル

    TL;DR: 滴滴出行(DiDi)の中南米(ラテンアメリカ)事業は、2025年に総取扱高(GTV)が前年比30%超の増加を記録しました。ブラジルにおけるフードデリバリー事業の再開や、メキシコでの金融サービスの展開など、多角化戦略によりさらなる成長が見込まれています。

    • 成長の加速: 2025年第4四半期の国際事業GTVは、前年同期比47.1%増の366億元(約7700億円)に到達。
    • 圧倒的な利用規模: 年間注文件数は45億500万件に達し、過去3年の複合年間成長率(CAGR)は32%を維持。
    • シナジー効果: 配車、フードデリバリー、デジタル金融を組み合わせた「スーパーアプリ」戦略で市場シェアを拡大。
    • 持続可能性: 現地モビリティの電動化(EV化)やサステナブルな移動手段の推進で、地域社会への貢献と環境負荷軽減を両立。

    人口約6.6億人を抱え、都市部への人口集中が進むラテンアメリカは、急速な成長を遂げる魅力的なモビリティ市場です。DiDiは徹底したローカライズと事業の多角化を通じて現地でのプレゼンスを急速に高めており、同地域のモビリティおよび生活インフラの再構築をリードしています。


    国際事業の成長概況

    中南米におけるDiDiの注文数の推移

    2025年第4四半期において、DiDiの国際事業におけるGTV(総取扱高)は前年同期比47.1%増の366億元(約7700億円)を記録し、年間GTVは1170億元(約2兆4600億円)規模に達しました。年間注文件数も45億件を突破し、堅調な拡大トレンドを維持しています。

    1日あたりの平均注文件数は1,300万件を超えており、これは中国国内市場の約3分の1に相当する規模です。中南米全体でのモビリティ需要を牽引する主要プレイヤーとして、その存在感を不動のものにしています。

    この高い成長背景には、同社が2022年以降に加速させてきた「現地ブランドの尊重」と「周辺サービスへの横展開」があります。市場平均を大きく上回る成長ペースを維持していることから、投資家からも極めて高い評価を受けています。


    中南米での徹底したローカライズ戦略

    ブラジル現地で稼働するモビリティサービス

    DiDiのローカライズにおける最大の特徴は、ブラジル最大手の配車スタートアップ「99(ナインティナイン)」を買収した際、現地で親しまれてきたブランド名や経営チームをそのまま維持した点にあります。

    現在、中南米におけるアクティブユーザー数は5,500万人を超え、150万人以上のドライバーや配達員が登録しています。3,300以上の都市でサービスを展開し、全体のシェアは約40%に達しています。

    このローカライズ戦略により、ユーザーは違和感なく乗り換えることができ、高い定着率を実現しました。特にブラジルで展開する2輪車(バイク)配車サービス「99Moto」は、サービス開始から3年で累計20億件以上の注文を獲得。ドライバー数は30%増、配送注文件数は60%増と、既存の4輪車配車をしのぐ勢いで成長しています。


    配車・デリバリー・金融が織りなす「スーパーアプリ」のシナジー

    DiDiは、強固な配車事業の顧客基盤を武器に、メキシコでフードデリバリー事業「DiDi Food」およびデジタル金融サービス「DiDi Card / DiDi Pay」を垂直立ち上げしました。

    メキシコ国内では、70以上の都市で3,000万人以上のアクティブユーザーを抱え、配車とデリバリーの両部門でシェア首位争いを演じています。

    また、ブラジル市場でも一度撤退した「99Food」を再起動し、サンパウロをはじめとする60以上の主要都市でサービスを再開。2025年8〜10月の調査では、現地の絶対的王者であった「iFood」のシェアが52.3%に低下する一方、99Foodが10%へとシェアを急拡大させ、独占状態に風穴を開けました。


    EVシフトと持続可能な都市への投資

    ブラジルの「99」プラットフォームでは、2024年7月に環境配慮型の配車サービス「99electric-Pro」をローンチし、主要5都市でEV車両の配備を進めています。

    2025年11月までに累計2,700万人以上がこのエコシステムを利用し、CO2削減効果は約3.12万トン(樹木約24.5万本の年間吸収量に相当)に上ります。

    さらにメキシコ市場でも、2025年10月に中国のEVメーカー大手である広汽アイオン(GAC Aion)や江淮汽車(JAC Motors)から、EV専用車両500台を新たに導入。2030年までに中南米全域で10万台のEV導入を目指す壮大なロードマップを掲げています。


    主要プレイヤーの市場影響

    企業・サービス名市場における影響と動向
    DiDi(滴滴出行)中南米全体で配車・フードデリバリー・デジタル金融のシェアを急拡大させ、「スーパーアプリ」化を推進。
    99(ブラジル現地子会社)現地の商習慣に適応したバイク配車やフードデリバリーの再強化により、圧倒的なシェアを獲得。
    iFood(ブラジル競合)99の再参入により独占的シェアが侵食され、競争激化による防衛策を迫られる。
    広汽アイオン / 江淮汽車メキシコおよび中南米市場へEVを大量供給し、現地のEVインフラおよび市場の活性化を主導。

    これらの取り組みは、DiDiが単なる移動手段の仲介サービスに留まらず、現地の都市交通インフラやデジタルエコシステムそのものを定義する存在へと進化していることを示しています。


    まとめ

    中南米におけるDiDiの躍進は、強固な配車事業からスタートし、デリバリーや金融への多角化、重点的なEV化など、持続可能な社会インフラへの進出によってもたらされています。今後も現地の成長市場をリードするプラットフォームとして、さらなる成長が期待されます。

    よくある質問(FAQ)

    Q: DiDiの中南米におけるユーザー規模はどのくらいですか?

    ブラジル(99ブランド含む)で約5,500万人、メキシコで3,000万人以上のアクティブユーザーを擁しており、中南米全体の合計ユーザー数は1億人規模に達しています。

    Q: ブラジルでの「99Food」の進捗はどうですか?

    サンパウロ都市圏において2025年8〜10月時点で市場シェア10%に到達し、アクティブユーザー浸透率は15.9%(約310万人)に達しています。王者iFoodに対抗する存在として急成長を遂げています。

    Q: EV(電気自動車)の導入計画はどの程度進んでいますか?

    現在メキシコで中国メーカー製のEV専用車両500台を新規導入したほか、ブラジルでのエコシステム拡大を含め、2030年までに中南米全体で10万台のEV車両を導入する計画を進めています。

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