2025年11月下旬、アジア太平洋地域およびグローバルなテクノロジーシーンを揺るがす重大な発表が相次ぎました。ファーウェイによる高性能2-in-1タブレット「MatePad Edge」の発表、シャオミによる「人・車・家」全エコシステムのAI化戦略、MetaのAI研究の権威であるヤン・ルカン(Yann LeCun)氏の独立起業、さらにNVIDIAの過去最高益の達成など、スマートデバイスからAI・半導体市場に及ぶ最新トピックを総括します。
ファーウェイ、HarmonyOS搭載の2-in-1タブレット「MatePad Edge」を発表
ファーウェイは「HarmonyOSオフィス新製品技術説明会」において、同社初となる本格的なPC代替2-in-1タブレット「MatePad Edge」を発表しました。HarmonyOSの軽量なカーネルおよびシステムアーキテクチャの優位性を活かし、従来のAndroid系タブレットでは困難だったPCクラスのソフトウェア実行能力とエコシステムのシームレスな統合を実現しています。
- ディスプレイ:14.2インチ、画面占有率94%の3.1K高精細かつ柔軟なOLEDパネル「雲晰柔光」スクリーンを搭載。室内光の反射を抑え、目の疲労を軽減します。
- 筐体・冷却性能:薄さわずか6.85mmのアルミニウム合金ボディ。高性能PCグレードチップ「麒麟(Kirin)X90A」を冷却するため、極薄の微ポンプ液冷フィルムとアクティブファンを統合した冷却機構を初採用し、最大28WのCPUパフォーマンスを安定して引き出せます。
- メモリ・ストレージ:エントリー構成の16GB+256GBから、最大32GB RAM + 2TB SSDというデスクトップPC並みのハイエンドスペックまでを用意。
- バッテリーと付属品:12,900mAhの大容量バッテリーに、最大140Wの超急速充電に対応。圧力タッチパッド付きの「星躍懸浮キーボード」や新型スタイラスペン「M-Pencil Pro」と組み合わせることで、オフィスワークから高度なクリエイティブ作業まで対応します。
価格はエントリーモデルが5,999元(約12万円)から、24GB+1TBのキーボード同梱モデルが9,999元(約20万円)となっています。
シャオミ、2025年「人・車・家」全エコシステムパートナー会議の開催を予告
シャオミ(Xiaomi)は、独自のスマートエコシステム「人・車・家(Human-Car-Home)」をテーマにした大規模なパートナー会議を12月に開催すると発表しました。同社の独自OS「Xiaomi HyperOS(澎湃OS)」やIoTエコシステムに、同社初のEV(電気自動車)である「Xiaomi SU7」に搭載されているスマートコクピットおよび自動運転システム(CarIoT)を完全統合するロードマップが示されます。
シャオミグループ総裁である盧偉冰(ルー・ウェイビン)氏らに加え、自社開発のAI大規模モデル「MiMo」チームを率いる羅福莉(Luuo Fuli)氏が登壇予定です。シャオミは、マルチモーダルモデルである「Xiaomi MiMo-VL」やオンデバイス向けの「MiMo-VL-Miloco-7B」などをオープンソース化しており、これらをスマートホームソリューション「Xiaomi Miloco(Local Copilot)」に組み込むことで、ユーザーの複雑な自然言語の指示に従って家電やスマートカーが高度に連携する自律型スマートホームシステムの実用化を推進しています。
AIの巨頭ヤン・ルカン(Yann LeCun)氏がMetaから独立起業へ
Meta(旧Facebook)のチーフAIサイエンティストであり、ディープラーニングの生みの親としてチューリング賞を受賞したヤン・ルカン氏が、Metaを去り自身初となるAIスタートアップ「AMI Labs(Advanced Machine Intelligence Labs)」をフランス・パリで起業したことを明かしました。
ルカン氏は長年、現在の「大規模言語モデル(LLM)の単純なスケールアップ(パラメータ数の増大)」によるアプローチは真の人工知能(AGI)に達しない「行き止まり(Dead End)」であると批判してきました。
新会社「AMI Labs」では、彼が提唱する「世界モデル(World Model)」に基づき、物理世界の法則を理解し、因果関係を推論し、永続的な記憶を持ち、複雑な自律行動計画を実行できる、物理的知能を備えた次世代AIシステムの開発を進めます。すでに2026年初頭までに、NVIDIAやサムスン電子、ジェフ・ベゾス氏のファンド等から総額10億3,000万ドル(約1,500億円)以上のシード資金を調達し、企業価値は35億ドルに達していると報じられており、基礎AI研究のパワーバランスが大きく動く可能性があります。
NVIDIA、第3四半期で売上高570億ドルの過去最高記録を達成
米半導体大手NVIDIAは、直近の第3四半期決算で売上高570億ドル(約8.5兆円、前年同期比62%増)を記録し、四半期業績として史上最高を更新しました。
特にAIデータセンター向けGPU(画像処理半導体)事業の売上高が512億ドル(約7.68兆円)と全体を牽引。次期アーキテクチャ「Blackwell」の量産および出荷が本格化しており、CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は「AI需要は依然として過熱しており、GPUはすべて争奪戦となっている」とコメント。一部でささやかれる「AI投資バブル論」を一蹴しました。
また、NVIDIAはサーバーシステム全体の省電力化を狙い、データセンター用サーバーメモリの規格を、従来のDDR5からモバイル向けの低消費電力規格「LPDDR5X」へと移行させる大規模なアーキテクチャ再設計計画を発表しました。これにより、モバイルデバイス向けとデータセンター向けのメモリサプライチェーンが競合することになり、今後のスマートフォンやタブレット向けLPDDRメモリの価格に大きな影響を与える可能性があるとサプライチェーン関係者は警告しています。
中国のAIスマート玩具市場、2025年に290億元へ拡大予測
中国の工業情報化部(工信部)が発表したデータによると、大規模AIモデルやエージェント技術を搭載した会話型インタラクティブ玩具(AIロボット、スマート知育玩具など)の市場規模が、2024年の246億元(約4,920億円)から、2025年には290億元(約5,800億円)へと急拡大する見通しです。
単なる音声合成やパターン対話ではなく、子供の感情やコンテキストを理解して柔軟に受け答えを行うエージェントトイは、新たな少子化対策や幼児教育のインフラとして注目されており、スマートデバイスとAIソフトウエアの融合事例として市場の関心を集めています。
出典: ifanr
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