
中国工業情報化部(MIIT)の発表によると、中国国内における第5世代移動通信システム(5G)の契約者数が2020年上半期時点で7,800万人を突破し、同年9月には8,000万人の大台を超えた。
超高速・大容量・超低遅延・多接続を特徴とする5Gインフラの整備は、中国が国家戦略として掲げる「新基建(新インフラ建設)」政策の柱であり、デジタル経済のさらなる発展に向けた強力な技術的基盤となっている。
中国GDPの3割を超える「デジタル経済」の規模
2020年9月に浙江省寧波市で開催された「世界デジタル経済大会」において開示されたデータによると、2019年時点の中国のデジタル経済の規模は**35兆8,000億元(当時の為替レートで約550兆円相当)に達しており、中国全体の国内総生産(GDP)に占める割合は36.2%**に達した。
スマートフォンの普及とモバイルインフラの進化は、ネット通販(オンライン小売)、フードデリバリー、モバイル決済などの生活関連サービス・デジタル消費分野を爆発的に成長させ、中国の経済成長を下支えする主要なエンジンとなっている。
5Gがもたらす産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)
国家情報センターの分析によれば、5Gなどの次世代通信技術をスマートシティの構築や実体経済へ深く統合させる動きが進んでいる。具体的には、以下のような先進分野での社会実装が急ピッチで展開されている。
- 遠隔医療(スマート医療):超低遅延の通信を生かし、大都市の基幹病院と地方のクリニックを繋いだ高精細な画像・動画のリアルタイム共有や、遠隔ロボット手術の実証実験が浙江省などで実施。これにより地方の医師不足や医療格差の緩和が期待されている。
- スマートシティと自動運転:自動運転車、無人配送ロボット、スマートグリッド(次世代送電網)など、都市インフラのリアルタイムデータ収集と最適化を支援。
- スマート港湾・製造業:世界最大級の貨物取扱量を誇る「寧波舟山港」などの巨大港湾において、ガントリークレーンの遠隔操作や自動走行コンテナ車の運用に5Gネットワークが導入され、現場の完全自動化が加速している。
5Gインフラの普及は、都市部と農村部(地方)の情報格差(デジタルデバイド)の是正や、高齢化社会における福祉サービスの強化といった社会課題の解決策としても期待される一方、ネットワークセキュリティの確保やユーザーのデータプライバシー保護といった新たな課題への対策も必要となっている。
情報源:新華社, 工業情報化部
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