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    Mobility Smart Devices

    中国発「レンタル経済」の台頭、Z世代が支えるシェア消費の実態

    洋服、おもちゃ、家電、ペットまで——中国でモバイルアプリ一つでレンタルできる「レンタル経済」が急拡大中。1995年以降生まれのZ世代を主な担い手として急成長する新たな消費スタイルの実態と、アント・フィナンシャルやアリババ(淘宝)などテック大手が本格参入した背景を解説します。

    スマートフォンで簡単に利用できる中国のレンタルサービスアプリ
    スマートフォンで簡単に利用できる中国のレンタルサービスアプリ

    モバイルアプリで数タップするだけで、衣服を借りて着る。スマートフォンをレンタルして使う。ペットを一時的に借りて楽しむ——。中国では今、「レンタル経済(租賃経済)」と呼ばれる新たな消費スタイルが急速に広がっています。従来の賃貸住宅やレンタカーの概念をはるかに超え、衣類・アクセサリー・バッグ・デジタル製品・家電・子どものおもちゃ・鉢植え・ペットまで、あらゆるものが「レンタル可能」な時代が到来しています。

    Z世代が牽引する「借りる文化」

    アント・フィナンシャル(現アント・グループ)のビッグデータ分析によると、レンタル経済の典型的なユーザーは1995年以降生まれの「Z世代(ポストZ世代)」です。彼らの消費価値観は、実用性・コストパフォーマンス・品質の三点に集中しており、エコ意識も高い傾向にあります。「モノは借りる、でも借り物の暮らしはしない」というスタンスで、レンタルはたんなる節約手段ではなく、自分らしいライフスタイルの表現手段になっています。

    北京市在住の魏妍さんはその好例です。2LDKのコンパクトな住居では大型おもちゃを買っても収納に困るため、おもちゃレンタルプラットフォームのシーズン会員に登録。大型ラジコンカー・レール玩具・バスなど毎回3種類をレンタルしています。「プラットフォームがきちんと消毒しているので衛生面も安心」と語っています。

    テクノロジーが支えるシェアリングインフラ

    レンタル経済の急拡大を支えているのは、中国のデジタルインフラの成熟です。

    • ビッグデータ・クラウドコンピューティング:在庫のリアルタイム管理やリソースの効率配分が可能に
    • オンライン決済(WeChat Pay・Alipay):数タップで完了する簡単な支払い体験
    • 信用スコアシステム:担保不要でのレンタルを実現(セサミクレジットなど)
    • フードデリバリーと同等の物流網:商品の迅速な配送・回収を実現

    市場調査会社iResearchの「2017年中国シェアリングエコノミー産業・ユーザー研究報告」によると、ユーザーがレンタルを選ぶ主な動機は「生活を健康的かつ効率的にしたい」「エコロジーな消費で環境に貢献したい」という意識です。

    主なレンタルプラットフォームとビジネス領域

    カテゴリー主なサービス
    ファッション衣二三、女神派
    おもちゃ宝貝半径、玩具超人
    家電・デジタル楽租商城、抖抖家居
    シェア自転車Mobike、ofo
    シェア充電器街電

    アリババ傘下の淘宝(タオバオ)は「淘宝租賃」でオールジャンルのレンタルサービスを開始。アント・フィナンシャルも複数のレンタルプラットフォームに出資し、衣類・デジタル機器・医療機器など幅広い分野でエコシステムを拡大しています。

    市場規模と今後の課題

    iResearchのデータによると、2015年の世界シェアリングエコノミー市場規模は約2,519億ドルで、中国がその33%を占めていました。2018年には中国単独で約2,300億ドル(世界の40%超)に達すると予測されていました。国家情報センターは「今後5年間、中国のシェアリングエコノミーは年率30%以上の成長を維持する」と見通しを示しました。

    一方で課題も浮き彫りになっています。多くのスタートアップが資金調達に依存した経営を行っており、同質化競争が深刻です。持続可能なビジネスモデルを確立するには、収益力の向上と差別化が不可欠です。「シェアリングやレンタルという言葉の一般化には注意が必要。本当に需要のある領域を見極め、収益モデルを精緻化することが先決だ」と業界専門家は警鐘を鳴らしています。

    情報源:人民日報

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