訪日中国人観光客の増加に伴い、大阪の小売店や商店街で中国のモバイル決済サービスを導入する動きが急速に広がっている。現金やクレジットカードでの決済が依然として主流だった当時の日本に対し、中国では都市部を中心にスマホ決済が完全に日常化しており、インバウンド誘致が活発な大阪エリアでは、モバイル決済が店舗運営に欠かせない決済インフラになりつつある。
大阪・ミナミの生活雑貨店「なんばロフト」では、買い物に訪れた中国人観光客の多くが、スマートフォンの決済アプリ(WeChat PayやAlipay)に表示したQRコードをレジの端末にかざし、手際よく支払いを済ませていく。北京から観光で訪れた女性(30)は、「中国国内ではモバイル決済しか使わない。日本の店舗でもそのまま使えるのは非常に便利」と話す。
売上高の約15%を訪日中国人観光客が占める同店では、インバウンド対応の初期段階から「銀聯(ユニオンペイ)カード」での決済に対応していたが、決済のさらなるスピード化と顧客体験向上のため、2016年2月に「WeChat Pay(微信支付)」、2017年1月に「Alipay(支付宝)」を相次いで導入した。現在、中国人ユーザーによる会計のうち、現金での支払いはほとんど見られず、銀聯カードとこれら二大モバイル決済がほぼ100%を占めているという。
WeChat Payの日本国内での導入支援を行うパートナー企業(代理店)である「ネットスターズ」によると、2017年11月時点における日本国内のWeChat Pay加盟店数は約1万店舗に達し、決済額は月額数十億円規模にのぼった。これは前年同月比で加盟店数・決済額ともに約10倍の成長である。Alipayの代理店各社も「取引件数・金額ともに右肩上がりで成長している」と口を揃える。
当時、中国の主要都市部におけるモバイル決済の利用率は98%に達するという調査データもあった。一方、当時の日本銀行の調査によると、日本国内のモバイル決済比率は6%程度にとどまっており、現金主流社会だった日本において、訪日外国人が主導する形でQRコード決済決済インフラが急速に日本の商店街や個店レベルにまで整備されていった。
大阪市中央区の「千日前道具屋筋商店街振興組合」では、中国の旧正月である「春節」の旅行シーズン(2018年は2月16日から)に合わせ、商店街を挙げてモバイル決済の導入促進キャンペーンを実施した。ガラス食器店や金物店など約10の個店がこの呼びかけに応じ、試験的にAlipayを店頭に導入して効果測定を行った。
同振興組合の田部誠事務局長は、「導入開始から間もないが、中国人旅行者が当たり前のようにスマホを差し出して決済しており、明らかな効果が出ている。買い手である観光客の決済ニーズに、売り手である我々商店街も迅速に対応しなければならない。今後、周辺エリアで導入を表明する個人商店は確実に増えるだろう」と先を見据えている。
情報源:読売新聞オンライン
コメント
...