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    ロシアが中国式QR決済や銀聯カードを大歓迎で受け入れる背景

    ロシアで中国のモバイル決済システムや銀聯カードの導入が急速に拡大。ワールドカップを控えた主要都市のインフラ整備や、中国人観光客の旺盛なインバウンド需要獲得を狙うロシアの銀行・小売企業の動きをレポート。中露の連携とキャッシュレス先進技術の輸出がもたらす影響を分析します。

    ロシアが中国式QR決済や銀聯カードを大歓迎で受け入れる背景

    「スマートフォンでQRコードをスキャンして支払う」という中国国内で定着したキャッシュレス決済スタイルが、ロシアの多くの主要都市や交通・小売インフラで急速に導入され、広がりを見せています。

    銀聯国際(UnionPay International)の発表によると、2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会の開催を前に、現地のATMやPOS(販売時点情報管理)端末における銀聯カード対応率は約90%に達する見込みです。モスクワやサンクトペテルブルク、カリーニングラード、ボルゴグラードなど、ワールドカップの試合が開催される主要都市のほぼすべてで銀聯カードの利用が可能になります。また、アエロフロート・ロシア航空やS7航空(シベリア航空)などの大手航空会社でもすでに銀聯カード決済に対応しています。

    旺盛な中国人観光客の獲得を目指す大手小売りの動き

    ロシア国内の売上規模で第3位および第4位を誇る大手小売チェーンも、2018年の春節(旧正月、2018年は2月16日)前後に向けて「Alipay(アリペイ、支付宝)」決済の導入を開始すると表明しました。これに先立ち、モスクワ市のバス、地下鉄、有料シェアサイクルといった都市交通システムでは順次Alipayが導入され、QRコード決済による乗車チケットの購入環境が整えられています。

    ロシアの銀行や小売業界が銀聯やAlipayとの提携を急ぐ最大の要因は、急増する中国人観光客団体がもたらす巨大なインバウンド需要と高い購買力にあります。ロシア観光協会のデータによると、2017年にビザなし(ノービザ)の団体観光枠を利用してロシアを訪れた中国人観光客は90万人以上に達し、前年比で18%増加しています。

    自国決済インフラの整備とロシア人の銀聯カード利用

    ロシア国内では、自国の消費者の間でも銀聯カードの利用者が増加しています。すでにロシアの主要行10行以上が連携し、累計で約130万枚の銀聯カードが発行されました。2017年の1年間で、ロシアにおける銀聯加盟店舗数および対応ATM台数は2倍以上に増えています。中国政府が主導する「一帯一路(Belt and Road Initiative)」の沿線国および地域のうち、すでに50カ国で銀聯カード決済が実用化されています。

    中国は現在、モバイル決済の技術やプラットフォームのグローバル展開を強力に推し進めています。近年、AlipayやWeChat Pay(微信支払)のような新たなテクノロジー企業が主導するキャッシュレスサービスだけでなく、銀聯のような伝統的な決済機関も「クラウド決済」と呼ばれる最新のモバイル決済機能を打ち出し、世界各地に輸出しています。モバイル決済の普及速度と日常的な実用度において、中国はすでに欧米諸国を大きく引き離していると言えます。

    「中国式決済」の輸出がもたらす中露経済への影響

    ロシアは「一帯一路」構想において最も重要な戦略的パートナー国の一つです。「中国式決済」のロシア国内への普及は、中国にとって人民元の国際化(ローカルカレンシー決済の拡大)を推し進める大きな一歩です。さらに、決済システムという現代の金融インフラ基準の輸出は、技術、サービス、ブランドにおける中国企業のグローバル展開を加速させ、国際金融社会における発言権を高める効果も期待されています。

    クロスボーダー決済のシームレス化により、中露間の新たな越境EC市場の活性化も間違いなく進行するとみられます。一方で、決済インフラの海外展開は、現地の金融ガバナンスやプライバシー規制、資金移動の安全性確保といった新たなルール形成という課題も浮き彫りにしています。

    情報源:人民日報

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