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    中国人が海外で高額購入する際は「銀聯カード」が主流な理由

    AlipayやWeChat Payが小口決済で急成長する一方、海外での高級車や宝飾品などの高額な買い物においては、中国銀聯(UnionPay)が圧倒的なシェアを維持している。中国政府によるモバイル決済の送金規制を背景に、なぜ富裕層が銀聯カードを選ぶのか、その仕組みと強みを分析する。

    中国人が海外で高額購入する際は「銀聯カード」が主流な理由

    モバイルインターネットとモバイルECの隆盛に伴い、中国の決済市場ではWeChat Pay(微信支付)とAlipay(支付宝)の二大巨頭が急速な成長を遂げ、実店舗決済でも激しい競争を繰り広げている。しかし、これらのモバイル決済プラットフォームが高級小売市場でも主導権を握れるかについては疑問が残る。豪金融メディア「アジア・ファイナンシャル・レビュー」によると、富裕層が海外で高額な高級品を購入する際には、依然として「中国銀聯(UnionPay)」が圧倒的な競争力を保持している。

    高級車ディーラーのマクキャロル・マセラティ(McCarroll Maserati)のマーケティングスペシャリストであるレリーナ・ラム(Lerina Lam)氏は、オーストラリアを訪れる多くの中国人顧客が、銀聯カードを一回スワイプするだけで、10万ドル(約1100万円)を超えるマセラティなどの高級車を即座に購入していくと語る。

    これらの消費者の多くは、25歳から45歳までの留学生や現地に駐在する中国企業の幹部・役員であり、一回あたりの利用限度額が極めて高く設定された銀聯カードを所有している。この銀聯カード決済の普及により、同ディーラーショップの売上高は近年20%増加したという。

    シドニー郊外サザランドにある日本のプレミアム自動車ブランド「レクサス(Lexus)」のディーラーでも、銀聯カードの決済システムを導入して以降、売上高が50%も成長する恩恵を受けている。さらに、ある宝飾店では銀聯カードによる1回あたりの決済額が85万ドル(約9300万円)に達した事例も報告されている。

    2002年に設立された中国銀聯は、米国のVisaやMastercardに対抗する中国のナショナル決済ネットワークである。中国の中央銀行である中国人民銀行の承認を得て設立され、現在では累計カード発行枚数で世界最大の決済カード会社に成長した。ロンドンを拠点とする決済コンサルティング会社RBRの報告書によると、銀聯は2015年時点で総額21.6兆ドルにのぼるグローバル決済市場の37%のシェアを占めている。

    さらに、銀聯カードは中国の個人投資家やバイヤーが年間5万ドル(約550万円)に設定されている外貨両替・送金規制の上限を回避し、合法的に高額な購入を行うための手段としても重宝されている。この規制は主に不動産などの資本移動を制限する目的であるため、物販(小売商品)であるマセラティのような高級車の購入に対しては、高額な決済がそのまま実行できる。

    WeChat PayやAlipayがこれほど人気を集めているにもかかわらず、中国政府はサードパーティ決済(モバイル決済)の取引金額に対して厳格な規制を設けている。具体的には、ユーザー1人あたり1日5000元(約8万5000円)、1回あたり2000元(約3万4000円)が決済上限とされている。この決済上限が足かせとなり、何百万円、何千万円もする高級ブランド品や車の購入にモバイル決済を利用することは極めて困難である。

    結果として、高額決済の領域においては、銀聯カードがモバイル決済アプリに対して圧倒的な優位性を持つ。銀聯ユーザーは、1000元(約1万7000円)以上の海外支出について中国政府に報告する義務はあるものの、個別のトランザクションにおいては事実上制限なく必要な金額を支払うことができるためだ。

    一方で、テンセント(騰訊)のWeChat(微信)も高級ブランドの新しい販売チャネルとして定着しつつある。フランスの「ロンシャン(Longchamp)」や英国の「バーバリー(Burberry)」はWeChatのミニプログラム内で公式ストアを開設し、ハンドバッグや衣類の直接販売を行っている。「ジバンシィ(Givenchy)」はバレンタインデーのプロモーションにおいて、限定ハンドバッグをわずか12分で120万元(約2000万円)分も完売させ、業界に衝撃を与えた。

    しかし、前述の決済上限規制があるため、WeChat内での高額取引は単発的なプロモーションに留まりやすく、高級ブランドがこのチャネルから安定的に数千万円規模の売上を持続させるのは難しいのが現状だ。

    少額決済の分野においては、AlipayとWeChat Payの独壇場である。2015年におけるAlipayユーザーの平均月間消費額は2,921ドルであったのに対し、WeChat Payは当初568ドルと低かったものの、2016年には1,526ドルへと急拡大している。

    情報源:Jing Daily、ChinesePayment翻訳編集

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