中国の建国記念日に伴う大型連休「国慶節(ゴールデンウィーク)」において、中国人観光客の海外旅行先として日本がタイに次ぐ第2位の人気デスティネーションとなりました。中秋節と重なり8日間の超大型連休となったこの期間、中国人の旅行需要は爆発的な高まりを見せました。
国慶節の旅行トレンドと人気の旅行先
中国旅行研究院が発表した調査によると、調査対象の64.8%が10月中(連休含む)に旅行を計画しており、前年同期比で9.3ポイント上昇しました。また、全体の16.4%が海外旅行を選択しています。旅行期間は「4〜7日間」が49%と最も多く、「1週間〜1ヶ月」の長期旅行を計画する層も18%に達しました。
中国の大手オンライン旅行会社(OTA)であるシートリップ(Ctrip / 携程)のデータによると、人気の海外旅行先は1位がタイ、2位が日本となり、以下シンガポール、米国、ベトナムと続きました。前年(2016年)に不動の人気を誇っていた韓国は、今回のトップ10から姿を消しました。これは、在韓米軍によるTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備決定に伴う中韓関係の悪化が直撃したためで、団体ツアーの事実上の販売禁止などにより、韓国を訪れる中国人観光客は前年比で約70%も激減しました。
日本国内の自治体や店舗による「受入環境」の整備
この好機を捉え、日本の各自治体や小売業界はインバウンド誘致に向けた取り組みを一気に強化しました。北海道や宮城県は中国向けの観光プロモーション動画を制作・配信したほか、福岡県では大型連休のタイミングに合わせて「福岡ショッピングフェスティバル(福岡購物節)」を開催。地方都市での消費喚起に注力しました。
特に大きな変化が見られたのが、決済環境のアップデートです。日本国内の百貨店、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどの主要小売店では、中国人が日常的に使用する決済インフラである「Alipay(支付宝)」や「WeChat Pay(微信支付)」の導入が急ピッチで進められました。
当時、日本のキャッシュレス決済比率はクレジットカードやSuicaなどの電子マネーを中心に2割程度にとどまっており、QRコード決済自体が一般にはほとんど認知されていませんでした。しかし、この国慶節のような中国インバウンドの巨大な「モバイル決済マネー」を受け入れるために日本国内で導入されたQRコード決済のインフラ(店舗側の端末やステッカー等)が、のちに日本国内で「PayPay」などの独自のQRコード決済サービスが普及していくための物理的・心理的な土台を築くことになりました。
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