Appleの決済サービス「Apple Pay」が中国市場向けに巨額の割引補助キャンペーンを打ち出したことを契機に、しばらく沈静化していたモバイル決済市場における還元競争が再び激化している。Apple Payのキャンペーンは1週間で終了したものの、これを追うように決済大手のAlipay(アリペイ)とWeChat Pay(ウィーチャットペイ)が大規模なユーザー還元策を発表した。
WeChat Payを運営するテンセントは、8月1日より約1ヶ月間にわたり、奨励金やキャッシュバッククーポン、電子ご祝儀(紅包)などの形で大規模な資金を投入し、自社決済サービスの利用を後押しすることを明らかにした。
WeChat Payの白振傑・事業運営総監は、「今回の『8月8日キャッシュレスデー』は従来にない多様なアプローチを用意している。特徴は大きく2点。1つ目はソーシャル性の強化で、獲得した奨励金はWeChat上の友人にプレゼントしたり、プールして次回支払いに利用したりできる。2つ目は提携規模の拡大で、ほぼすべての加盟実店舗と協力した大規模なキャンペーンとなっている」と説明する。
一方、ライバルのAlipayを運営するアント・フィナンシャルも、8月1日から1週間、決済時に付与する「奨励金」の枠を大幅に引き上げ、1回あたり最大4,888元(約8万円)を還元すると発表した。これによりAlipay初となる大規模な「キャッシュレス・ウィーク」がスタート。全国で1,000万以上のオフライン加盟店が参加し、店舗で2元(約33円)以上のAlipay決済を行うとキャッシュバックを受け取れるチャンスが得られる。
これに先立ち、中国銀聯(UnionPay)も非接触決済サービス「雲閃付(QuickPass)」およびApple Payを利用したユーザー向けに、指定店舗で最低5%割引やクレジットカードポイント最大50倍などのキャンペーンを展開していた。スターバックスやカルフール、セブン-イレブンなどの大手チェーンを含むオフライン加盟店28社、オンライン加盟店16社が参加した。
中国の巨大なキャッシュレス決済市場において、Apple Payや銀聯などの参入による刺激もあり、二大巨頭によるユーザーの囲い込み競争はさらに激しさを増している。
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中国決済黎明期から10年以上の取材実績を持つ金融DX実務家、元IBMのエンタープライズITアーキテクト、外資系戦略コンサルティングファーム出身のビジネスアナリスト、およびAI・先端テックスタートアップ陣によって構成される専門リサーチ集団。現地の公式発表・法定開示・登記・特許・学術論文を直接精査し、日本の産業界へ向けて構造的で偏りのない客観インサイトを発信しています。
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