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    中国・インド・香港の最新キャッシュレス決済動向を徹底比較

    急成長を遂げるアジアのキャッシュレス決済事情をレポート。世界最大の市場である中国、クレジットカードやオクトパスカードが強い香港、そして高額紙幣廃止を機に政府主導でデジタル化が進むインドの最新動向と課題を徹底比較して解説します。

    中国・インド・香港の最新キャッシュレス決済動向を徹底比較
    アジアのモバイル決済市場の比較イメージ
    急成長するアジア諸国のモバイル決済(イメージ)

    アジアでは、電子ウォレットやプリペイドカードからスマートフォン決済アプリ、オンラインバンキング送金などの様々なサービスが爆発的に増えています。その多くは、現金を携帯する必要がないという利便性と安全性が評価されています。しかし、著しい成長を見せる一方で、一部の国や地域では、身元情報の盗難やインフラの不足、デジタルマネーに対するリテラシー不足などの理由から、依然として現金が主役のままであるなど、多様なグラデーションが存在します。

    本記事では、アジア諸国の中でも特にダイナミックな変化を遂げている中国、香港、インドのモバイル決済事情を比較解説します。

    中国:スマートフォンが「財布」となったキャッシュレス大国

    北京で働く保険代理人の張さんは、毎日現金を持たずに生活しています。昼食のラーメン代はスマートフォンの画面に表示されたQRコードをスキャンして支払い、シェアサイクル(共有自転車)もスマホをかざすだけで解錠して利用します。帰りに立ち寄るスーパーマーケットでも、レジでアプリの決済バーコードを提示するだけで買い物が完了します。

    「正直なところ、最近は財布を持ち歩かなくなりました。もしスマホが使えなくなったときのために銀行カードを1枚持ち歩いていましたが、それすら不要だと気づきました」と、32歳の張さんは語ります。

    世論調査では、回答者の70%が「現金を持たずに外出することに不便を感じない」と答えました。中国本土は現在、世界最大かつ最も急速に成長しているモバイル決済市場です。中国インターネットネットワーク情報センター(CNNIC)によると、前年のモバイル決済ユーザー数は前年比30%増の4億6,900万人に達し、モバイルユーザー全体の3分の2を占める規模となっています。

    クレジットカード決済などの従来のプラスチックカードの普及を飛び越し、スマートフォンの普及率が急上昇したことで、中国はAlipay(アリペイ/支付宝)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ/微信支付)を中心とするモバイル決済社会へ一気にシフト(リープフロッグ)しました。

    特に2016年は、消費者の決済行動が大きく変化するターニングポイントとなりました。北京の調査会社BigData Researchによると、2016年のモバイル決済の総取引規模は38兆6,000億元(約617兆円)に達し、オンライン決済の成長を大きく牽引しています。

    キャッシュレス決済が急成長した背景には、比較的緩やかな初期規制環境に加え、外資系企業の参入規制によって自国のフィンテック企業が自由に革新的なサービスを展開できたことが挙げられます。アーンスト・アンド・ヤング(EY)のレポートも、「この分野で大成功を収めているのは、市場を支配する国内のメガテック企業である」と分析しています。

    一方で、アカウント情報の漏洩や詐欺などのセキュリティリスクも表面化しています。マネーロンダリングや不正利用への懸念から、中国人民銀行(中央銀行)による規制は年々厳格化される傾向にあります。

    香港:オクトパスと新たな電子決済ライセンスの導入

    香港の住民は古くからキャッシュレス決済に親しんでおり、選択肢も豊富です。飲食店やスーパーなどでは、日本のSuicaのような非接触型ICカード「オクトパス(八達通)」やクレジットカード、各種モバイルウォレットが幅広く利用されています。

    特にオクトパスの普及率は極めて高く、1日の決済取扱高は1億7,300万香港ドル(約24億円)にのぼります。カード決済インフラが成熟している香港では、中国本土のようにQRコード決済が一世を風靡するのには時間がかかりました。しかし、香港金融管理局(HKMA)はバリュー保管型決済(SVF)ライセンスを新たに13社に認可しました。これにはPayPal、Alipayウォレット、WeChat Pay、PCCWのTap & Goなどが含まれ、決済事業者の獲得競争が激化しています。

    Apple PayやGoogle Payといったグローバル標準の非接触決済も多くの店舗で導入されており、統計データによれば香港のデジタル決済取引額は年平均16%のペースで成長し、数年内には取引規模がさらに倍増すると予測されています。

    インド:高額紙幣廃止がもたらした強制的なデジタルシフト

    退職した外交官のラーマンさんは、本来は現金払いが最も安心できると感じていました。しかし2016年末、モディ政権による500ルピーおよび1,000ルピー高額紙幣の突然の流通停止(廃止措置)を受け、デビットカードの申請と電子ウォレット口座の開設を余儀なくされました。

    中央銀行であるインド準備銀行が新紙幣を印刷したものの供給が追いつかず、銀行やATMの前には長蛇の列ができました。この極端な「現金不足」という混乱の中で、何百万人ものインド国民が急遽デジタル決済の利用を開始することとなりました。

    「携帯のチャージや小口の支払いにはPaytm(ペイティム)が便利だが、高額な取引では今でも現金が使いやすい」とラーマンさんは話します。

    インド政府はデジタル経済の構築を強力に推進しており、国民IDシステム「Aadhaar(アドハー)」を用いたバイオメトリック認証の整備や、農村部へのインターネット回線の敷設を進めています。しかし、国民をデジタル決済に惹きつけた最大の契機は、良くも悪くも高額紙幣の廃止措置でした。

    コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーのパートナーは、「紙幣廃止はデジタル化の強力なトリガーとなったが、この勢いを維持するためには、国民に対する金融リテラシー教育や利用インセンティブの提供が不可欠である」と分析します。

    政府支援の決済方式である「Bharat QR Code」や、銀行口座間の直接送金を可能にするアプリ「BHIM」も登場し、リリース後短期間で数千万人のユーザーを獲得しました。また、最大手の民間決済事業者Paytmは、電子ウォレットユーザーが2億人を超え、取引数が急増しています。

    しかし、インド全土で現金を完全に代替するのは容易ではありません。農村部では依然として銀行店舗や通信インフラが脆弱であり、金融知識の不足も課題です。インド決済協議会(PCI)の会長は、「国内の小売決済取引の依然として8割以上が現金で行われており、初めてデジタル決済を利用する人々への継続的な教育が必要である」と強調しています。

    情報源: 海峡ニュース、ChinesePayment翻訳編集

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