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    中国のモバイル決済市場が米国の50倍に急成長、FT紙のデータ比較

    英フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、中国のモバイル決済市場規模が米国の約50倍に達した。中国が3.5兆ドル規模へ急成長した背景にある、オンラインショッピング普及、クレジットカード未成熟による「リープフロッグ現象」、アリペイ・WeChatの二社独占体制を解説。

    中国のモバイル決済市場が米国の50倍に急成長、FT紙のデータ比較
    中国と米国のモバイル決済市場規模の比較

    英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙の報道によると、中国におけるスマートフォンを通じた決済取引額は、米国市場全体の約50倍に達しており、中国のフィンテックセクターの爆発的な成長を浮き彫りにしています。

    急拡大する市場規模の格差

    調査会社アイリサーチ(iResearch)およびフォレスター・リサーチ(Forrester Research)のデータによると、両国の市場規模には以下のような圧倒的な差が開いています。

    • 中国のモバイル決済総額3.5兆ドル(約380兆円、前年比3倍以上の成長)
    • 米国のモバイル決済総額1,120億ドル(前年比39%増)

    中国市場急成長の背景要因

    中国でモバイル決済がこれほど急速に普及した要因として、以下の3点が指摘されています。

    1. EC市場の爆発的成長とネット金融の普及

    中国国家統計局によると、2016年の中国国内のオンライン小売売上高は前年比26.2%増の5.2兆元に達しました。また、P2PレンディングやオンラインMMF(マネー・マーケット・ファンド)などのインターネット金融サービスへのアクセスが容易になったことも、電子マネーの流通を加速させました。2012年にはわずか5%だったオンラインでの投信販売比率は、数年で過半数を超えています。

    2. リアル店舗への急速な浸透(2016年が転換点)

    2016年は中国のオフライン小売におけるモバイル決済の「転換点」となりました。スターバックスやイケア(IKEA)といったグローバルチェーンから、朝食の個人屋台、ネイルサロン、個人経営のショップにいたるまで、あらゆる場所でスマートフォン決済が選べるようになりました。

    3. クレジットカード普及を飛び越えた「リープフロッグ」

    欧米諸国のように「現金 ➡️ クレジットカード ➡️ モバイル決済」と進むのではなく、クレジットカードの普及率が低かった中国では、デビットカードの煩雑な手続きを嫌った消費者が、一足飛びにQRコード決済へ移行しました。店頭のPOS端末や印刷されたQRコードをスキャンするだけで決済が完結する利便性が、圧倒的な普及を後押ししました。

    二社独占 vs 分散する米国市場

    市場の構造的特徴として、中国ではAlipay(アリペイ/支付宝)とWeChat Pay(ウィーチャットペイ/微信支付)の2大サービスが市場をほぼ完全に二分(独占)しています。

    一方、米国市場ではApple Pay、Google Pay、Samsung Pay、PayPalなどがシェアを分け合う群雄割拠の状態で、普及の足並みが揃いにくい構造となっています。

    中国におけるモバイル決済の圧倒的な普及は、アリババ(Alibaba)やテンセント(Tencent)といったプラットフォーマーに対し、広告最適化や信用スコアリング(芝麻信用など)に活用できる極めて膨大で貴重なユーザー行動データをもたらす源泉となっています。


    情報源: Financial Times、China Daily

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