
ローソンは2017年2月10日、1月24日より全国約1万3,000店舗で取り扱いを開始したモバイル決済サービスAlipay(アリペイ)の利用状況データを初公開しました。訪日外国人観光客のさらなる利便性向上を目的に、中国の大型連休「春節(旧正月)」に合わせて導入されたものです。
当時、日本国内では「PayPay」や「LINE Pay」などの国産QRコード決済サービスがまだ普及する前の段階であり、コンビニエンスストア大手による全店規模でのモバイル決済導入は非常に先駆的な試みでした。
春節13日間の利用データ
ローソンが1月24日~2月5日までの13日間の利用状況を集計した結果、以下のデータが明らかになりました。
- 累計利用件数:5万2,000件超
- 利用実績のある店舗:全店舗の約30%(全47都道府県に分布)
- 利用の多い地域:札幌、東京、大阪、京都、福岡、沖縄など観光客数の多い地域が中心
平均客単価は全体の1.6倍
Alipay利用者の平均客単価は800〜900円で、ローソン全体の客単価の約1.6倍に達しました。免税品ではないコンビニでの日常的な買い物でも、決済の手軽さが購買単価を押し上げていることが窺えます。
購入商品の特徴
購入商品の中心は、日本滞在中に消費される日用品や食品でした。
- 牛乳(最多購入商品):日本の牛乳は品質と安全性が極めて高く評価されており、朝晩にホテルで飲用されるケースが多い
- おでん、肉まん
- 飲料水
Alipayのキャッシュバックキャンペーンの効果
春節期間中のプロモーションとして、ローソンで170円以上の買い物をすると約100円のAlipayキャッシュバックが提供されました。このキャンペーンにより、200円前後の牛乳1本で大きな割引を享受できるため、特に日本在住の中国人留学生がキャンペーン期間中にほぼ毎日ローソンに通う姿が見られたとのことです。
購買分析への示唆と今後の展望
日本国内におけるQRコード決済のターゲット層は、必ずしも訪日観光客だけではありません。日本に在住する数十万人規模の中国人留学生や華僑がAlipayやWeChat Payを日常的に利用しており、店舗側が購買動向や単品分析を行う際には、インバウンド観光客と在日中国人コミュニティの両方を考慮する必要があります。また、こうした取り組みは日本のキャッシュレス社会移行に向けた実証実験としての側面も持っています。
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