中国EC最大手のアリババ(Alibaba)は、中国のオフライン小売り大手である百聯集団(Bailian Group)と戦略的業務提携を結んだと発表した。百聯集団は、中国国内で百貨店やショッピングセンターをはじめ、スーパーマーケット、コンビニエンスストアまでを幅広く運営する巨大小売グループである。中国チェーンストア・フランチャイズ協会の「2015年主要百貨店チェーンのビジネス状況」調査によると、百聯集団の売上高は業界1位を誇り、王府井百貨や銀泰百貨がそれに続いている。
百聯集団とアリババが協力する分野は、人工知能やクラウドなどの技術研究開発、サプライチェーンの統合、会員システム(CRM)の共有、金融・決済サービス、そして物流システムの連携など多岐にわたる。アリババは、昨年創設者のジャック・マー(馬雲)氏が提唱した、オンラインとオフライン、物流を融合させる「ニューリテール(新小売/New Retail)」戦略を確実に推し進め、ネットと実店舗の本格的な融合を目指す構えだ。
アリババによるこれまでの主な小売連携の歩みは以下の通りである。
- 2013年:アリババは銀泰百貨店との戦略的協力を締結、2014年には同社の筆頭株主となった。
- 2015年:家電量販店最大手の蘇寧雲商(現在の蘇寧易購)に約283億元(当時のレートで約4,800億円)を出資し、第二位株主となった。
- 2016年末:浙江省を中心にスーパーを展開する三江ショッピング(三江購物)に21.5億元(約365億円)を出資し、株式の32%を取得した。
今回の提携相手である百聯集団は、百貨店のみならず、ショッピングセンター、スーパー、コンビニという3つの小売業態を傘下に持ち、それぞれ「センチュリー聯華(世紀聯華)」「聯華スーパーマーケット(聯華超市)」「華聯スーパーマーケット(華聯超市)」「快客(クイック)コンビニ」の4ブランドで店舗網を拡大し続けている。聯華スーパーの年次報告書によると、2016年6月時点で全国のグループ店舗数は約3,800店舗に及ぶ。
しかし、アリババの競合である中国EC2位の京東(JD.com)も実店舗網の囲い込みを先行させている。京東は小売大手の永輝スーパー(永輝超市)に出資しているほか、米ウォルマート(Walmart)とも戦略的提携を結んでオンライン・オフライン連携を進めている。
2015年の「中国チェーンストアトップ100」の売上ランキングを見ると、アリババが提携した百聯集団は7位、三江ショッピングは84位。対して、京東が手を組んだウォルマートは5位、永輝スーパーは10位に位置する。
今後も、中国のインターネット巨大企業によるリアル小売企業の買収や資本提携はさらに活発化するだろう。オンラインとオフラインの境界が消える「ニューリテール」が、人々の消費体験をどのように変えていくのか、その主導権争いから目が離せない。
情報源:DT財経、ChinesePayment
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