中国インターネット大手テンセント(騰訊)は、WeChatに組み込まれた新機能「ミニプログラム(小程序)」を正式にリリースしました。ユーザーはアプリをダウンロード・インストールすることなく、WeChat内で直接さまざまなサービスを利用できるようになります。
主要アプリが続々とミニプログラムに対応
ECサイト大手のJD.com(京東商城)、口コミプラットフォーム最大手の大衆点評(Dianping)、配車サービスのDiDi(滴滴出行、Uber中国を買収統合)など、中国で人気の主要モバイルアプリがすでにミニプログラム版をリリースしています。
ユーザーはこれらのアプリを端末にダウンロードせずに、モバイルOSのアプリストアをバイパスしてWeChat上で直接開いて利用することが可能です。
Apple App Storeとサードパーティストアへの影響
この新機能は、中国におけるApple App Storeの存在感に大きな影響を及ぼすと広く予測されています。テンセントの発表によれば、WeChatのユーザー数は7億6,800万人を超え、ユーザーの50%が毎日90分以上をWeChatに費やしているとされていました。
また、中国ではGoogle Playにアクセスできないため、Android端末ユーザーはサードパーティのアプリストアを利用しており、これらのストア事業者もミニプログラムの台頭によって大きな挑戦を受けることになります。
ミニプログラムの技術的特徴と限界
ミニプログラムは、WeChatが独自に開発したマークアップ言語WXMLとスタイルシート言語WXSSで構築されています。HTML5やCSSと類似点はあるものの互換性はなく、WeChat独自のエコシステム内でのみ動作する設計です。
一方、ミニプログラム版は多くの場合、フル機能アプリの簡略化バージョンであり、すべての機能を利用するにはネイティブアプリのダウンロードが依然として必要です。ただし、利用頻度の低いアプリについてはミニプログラムへの移行が進むと見込まれています。
日本でいえば、LINEが後に「LINEミニアプリ」として同様の仕組みを導入しましたが、WeChatのミニプログラムはそれに数年先行し、テンセントがアプリ配信分野でAppleやGoogleと肩を並べる中国初の企業となることを示した画期的な一手でした。
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中国決済黎明期から10年以上の取材実績を持つ金融DX実務家、元IBMのエンタープライズITアーキテクト、外資系戦略コンサルティングファーム出身のビジネスアナリスト、およびAI・先端テックスタートアップ陣によって構成される専門リサーチ集団。現地の公式発表・法定開示・登記・特許・学術論文を直接精査し、日本の産業界へ向けて構造的で偏りのない客観インサイトを発信しています。
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