中国のテック業界の動向が世界の注目を集めています。アリババによるEコマースの覇権、決済アプリ「Alipay(アリペイ)」の普及、配車サービス大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」によるUber中国事業の買収など、目覚ましい発展を遂げています。今やシリコンバレーなどの欧米企業こそが、テンセントの「WeChat(微信)」のような中国発スーパーアプリのビジネスモデルから学ぼうとしています。
米Forbesは、2017年の中国フィンテック市場における重要なメガトレンドを予測しています。
1. スマホ決済のさらなる普及とキャッシュレス化
アーンスト・アンド・ヤング(EY)のレポートによると、中国の消費者の約40%が日常的にモバイル決済をはじめとする新しい決済手段を利用しています。アリババのAlipayやテンセントのWeChat Payは、都市部だけでなく農村部まで深く浸透し、スマートフォンの決済アプリ一つで生活が成り立つ社会を形成しています。
2. 「信用スコア(クレジットスコア)」による社会インフラ構築
中国では、個人の行動や支払い能力を数値化する「信用スコア」システムがフィンテックの成長を強力に後押ししています。アリババ傘下のアント・フィナンシャルが開発した「芝麻信用(ジーマ・クレジット)」など民間8社が、政府が目指す個人信用システムへの組み込みに向けて先行開発を進めました。このスコアは、ローンの審査のみならず、レンタルのデポジット免除、各種公共サービスの優先利用など、社会生活のあらゆるシーンに紐付けられ始めています。
3. P2P金融とオンライン融資の拡大
信用履歴(クレジットカード等の履歴)を持たない多くの中間層や個人事業主をターゲットにした「P2P金融(個人間融資)」やオンライン小口融資セグメントも拡大を続けています。例えば「China Rapid Finance(上海信而富)」などのフィンテック企業は、従来の銀行口座データが不十分だった何百万人ものユーザーに対して、アルゴリズムを活用したスピード審査でローンを提供しています。
4. グローバル展開と積極的な海外M&A
国内市場で圧倒的な規模に達した中国テック企業は、さらなる成長を求め、アジア・欧米市場への「グローバル展開(海外進出)」を加速させています。
中国企業は2016年、国外のM&A(企業の合併・買収)に2,070億ドル(約24兆円)以上を投じました。アント・フィナンシャルがタイの主要フィンテック企業「Ascend Money」に出資した例のように、東南アジア諸国でのローカル決済サービスへの出資や、米国・欧州企業への積極的な投資が2017年も続いています。
また、当初からグローバル市場での成功を目指すスタートアップも増加しています。ユーティリティアプリで世界中に数億のユーザーを抱える「Cheetah Mobile(猟豹移動)」や、米国や欧州のティーンネイジャーの間で爆発的な人気を博したショート動画SNSアプリ「Musical.ly」(後にバイトダンスが買収しTikTokと統合)など、中国国外のユーザーを主要顧客とする新しい起業スタイルが、若い世代の間で主流になりつつあります。
情報源:Forbes、ChinesePayment編集
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