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    多慶屋が語る「Alipay」導入1年の成果とインバウンド戦略

    老舗ディスカウントストア「多慶屋」におけるアリペイ(Alipay)導入1年の成果を分析。POS改修不要のタブレット導入によるスピード展開、クレジットカードを上回る決済単価2万円の購買力、さらに中国の1212セールと連動したプロモーション戦略や現場の導入課題について解説します。

    多慶屋が語る「Alipay」導入1年の成果とインバウンド戦略

    東京・御徒町の老舗ディスカウントストア「多慶屋」では、2015年12月1日から訪日中国人向けの決済サービス「アリペイ(Alipay / 支付宝)」の店頭決済を導入しています。導入から1年が経過した現在、Alipayの大型プロモーションと連携した取り組みにより、想定以上の集客効果や客単価の上昇など、大きな成果を感じているといいます。

    多慶屋は、すでに定番の「銀聯(UnionPay)」に加えて、AlipayやWeChat Pay(微信支付)などのモバイル決済を積極的に導入しており、インバウンド需要の獲得に力を入れています。

    日本のキャッシュレス決済の普及初期において、多慶屋のような老舗店舗がいち早く中国のデジタル決済に対応し、莫大なインバウンド消費を売上につなげた事例は、日本の小売業界において先駆的な成功モデルとなりました。

    インバウンドの現状と決済比率

    多慶屋には年間約43万人の訪日外国人が来店しており、最も多い中国からの旅行者に加え、台湾やタイからの顧客も目立っています。中国人観光客を含む免税売上は、店舗全体の総売上の2割に達することもあります。多慶屋では約30名の中国人スタッフを採用し、現場の接客や案内体制を強化しています。

    現在、店頭では「Alipay」「銀聯」「WeChat Pay」に対応しています。決済件数としては依然として銀聯カードの利用が多いものの、Alipayはキャンペーン実施時に銀聯を上回る取引数を記録することがあります。

    POS改修不要、タブレットによるスピード導入

    システム導入のハードルを下げるため、同社では既存のPOSレジシステムを改修するのではなく、専用アプリをインストールしたタブレット端末をレジ横に設置する運用を採用しました。これにより、わずか2ヶ月という短期間でのスピード導入を実現。現在では店舗全体で53台のiPad miniがフル稼働しています。

    クレジットカードを上回る「客単価2万円」の購買力

    Alipay利用者の平均決済単価は2万円弱と非常に高く、多慶屋の実店舗における平均客単価や、一般的なクレジットカード決済の平均単価をも上回っています。

    年齢層による使い分けの傾向として、比較的シニア層は従来の銀聯カードを好み、30代前半までの若い世代はスマートフォンを用いたAlipayを好んで利用します。2016年8月にはAlipay経由の月間売上高が9,600万円、9月には約1億円を突破するなど、順調に推移しています。

    特に、中国の「1212(ダブルシックス)」などの商戦期には、Alipay側が「500元(約8,000円相当)以上の購入で200元(約3,200円相当)を還元する」といった強力なキャッシュバックキャンペーンを実施します。多慶屋が御徒町エリアに複数展開する店舗間での「買い回り」行動を促進する原動力となっています。

    導入期における現場の課題

    スピード導入の裏で、初期には以下のような現場の課題もありました:

    • 言語とデモ環境の不足:決済管理画面やアプリ画面が主に中国語表記であり、また日本のスタッフが中国国内の電話番号や銀行口座を持たないため、本番環境での決済シミュレーションや十分な事前研修が行えなかったこと。
    • キャンペーン時のオペレーション混乱:キャンペーン開始と同時に予想を上回る中国人観光客が押し寄せたため、決済エラー時の返金処理やキャンセル発生時における店員のレジオペレーションの標準化に時間がかかったこと。

    情報源:PaymentNaviより抜粋・再構成

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