中国でスマートフォンを用いたQRコード決済サービスが急激に拡大しており、訪日中国人観光客の増加に伴って、日本国内の小売・サービス業界でも新たな商機を生み出しています。2016年における中国のモバイル決済市場規模は前年比で3割以上成長し、200兆円の大台に迫る勢いを見せています。これを受け、日本でも高島屋やローソン、セブン-イレブンなどの大手小売業が一部の店舗で試験運用を開始しており、日本のスマートフォン決済市場の多様化に注目が集まっています。
中国で主流となっているスマートフォン決済は、端末の画面上に表示された「QRコード」を店頭のタブレットやスキャナーで読み取るだけで決済が完了するシステムです。日本で広く普及している「Suica」や「FeliCa」といった高額な専用読み取り装置を必要とする非接触型IC決済に比べ、QRコード決済は導入コストが極めて低く、小規模店舗や個人商店でも簡単に導入できるのが強みです。元々中国ではクレジットカードの普及率が低く、デビットカード(銀聯カード)が主流でしたが、利便性や安全性の向上、店舗側の導入しやすさを背景に、ここ数年でモバイル決済ユーザーが爆発的に急増しました。
中国のモバイル決済市場においては、電子商取引最大手アリババグループの「Alipay(支付宝)」が約72%という圧倒的なシェアを占めており、これにテンセント(Tencent)の「WeChat Pay(微信支付)」が続いています。両社が日本国内での加盟店開拓を急ぐ最大の狙いは、訪日時の決済機会の提供にとどまりません。決済データを通じて、中国人消費者が帰国した後も日本の商品情報を配信し、越境EC(ネット通販)での継続的な購買につなげるシームレスなマーケティングサイクルを構築することにあります。これまでキャッシュレス導入のハードルが高かった日本の個人商店などでも普及が進めば、日本の消費者にとってもスマートフォン決済がより身近な存在になる可能性があります。
情報源:DIGIMA
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