
中国のインターネット人口は6.9億人。そのうち6.2億人がモバイル端末(スマートフォン)経由でネットを利用しています。スマホの普及スピードは凄まじく、都市部においていわゆるフィーチャーフォン(ガラケー)を使用する人はほぼ見かけなくなりました。地下鉄の車内でも、多くの人々が静かにスマホの画面をタップしています。
当時、日本国内ではLINEによるチャットが主流になりつつあったものの、モバイル決済との連携や交通、生活インフラとの融合はまだ初期段階でした。これに対し中国では、スマホ1台があらゆる生活の基盤となる「モバイルファースト社会」が完全に成立していました。
18桁の国民IDカードと並ぶ重要性
中国の国民は、「居民身分証」と呼ばれる18桁の個人識別番号が記載されたICカードを常時携帯することが義務付けられています。現代の中国社会においては、この身分証と並び、スマートフォンが個人の身分を証明し、生活を営むための必須ツールとなっています。
実際、米CNNの記者が北京において「現金やクレジットカードを一切持たず、スマホだけで24時間生活できるか」という実験を行ったところ、何の問題もなく生活可能であることが証明されました。記者は「中国のモバイルビジネスは米国のかなり先を走っている」と評しています。
日常のあらゆるシーンを支えるアプリ群
中国のスマホ生活を支える主要なサービスやアプリには、以下のようなものがあります。
WeChat(微信)
単なるメッセージングツールを超え、チャット、音声メッセージ、通話に加え、決済機能(WeChat Pay / 微信支付)を内蔵したスーパーアプリです。個人間送金から店舗での支払いまで、あらゆるマネーフローのハブとなっています。
Baidu Map(百度地図)
きわめて使いやすいナビゲーションアプリです。出発地と目的地を入力するだけで、徒歩、地下鉄、バス、タクシーなど、交通手段別のルートと所要時間を正確に算出します。周辺の店舗情報やクチコミデータも統合されています。
大衆点評(Dianping)
日本の「食べログ」に近いグルメ情報プラットフォームですが、大きな特徴は「団購(共同購入クーポン)」の存在です。アプリ上で事前決済することで、人気メニューが最大7割引きになるクーポンなども提供されており、決済にはWeChat Payなどのモバイルウォレットが使われます。
移動と決済の完全なキャッシュレス化
外出時のタクシー配車も、配車アプリ(滴滴出行など)を利用するのが一般的です。アプリを起動すると、自身の周辺を走行している車両のアイコンがリアルタイムで地図上に描画されます。
目的地を入力して配車を依頼すると、対応する運転手から連絡が入ります。画面上にはナンバープレート、運転手の氏名、評価が表示され、乗車後の支払いは自動的にWeChat PayやAlipayから引き落とされます。
コンビニでの少額決済も、財布から現金を取り出してお釣りを確認する手間は不要です。スマホに表示した二次元コード(QRコード・バーコード)を店員のレジでスキャンしてもらうだけで、数秒で処理が終わります。サインが必要なデビットカード等よりも圧倒的にスピーディーです。
また、中国の鉄道(高速鉄道など)のチケット予約や車内改札も、デジタル身分証とスマホの連携によってペーパーレス化されています。外国人の場合はパスポート提示による窓口での発券が必要ですが、中国の国民はスマホで予約後、改札口で身分証をタッチするだけで乗車できるスマートなインフラが構築されています。
情報源:中国日本商会
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