
日本市場を巡るモバイル決済の覇権争い
中国国内で圧倒的なシェアを誇る二大モバイル決済プラットフォーム「Alipay(支付宝)」と「WeChat Pay(微信支付)」が、日本のインバウンド市場を舞台に加盟店開拓の競争を本格化させています。
両社は日本の決済代行企業や大手金融機関などをローカルパートナー(アクワイアラー)として選定し、訪日中国人観光客がよく訪れる百貨店や家電量販店から、街中の中小小売店・飲食店に至るまで、急速にネットワークを拡大しています。各アクワイアラーは導入推進と決済トランザクションの活性化を図り、その効果検証を進めています。
決済アクワイアラーの二大陣営
日本における両決済プラットフォームの導入支援・加盟店審査を担うアクワイアラー(代理店)は、以下のように二大陣営に色分けされています(重複含む)。
Alipay(アリペイ)陣営
オリックスやリクルートなどの大手企業をはじめ、広範なパートナーネットワークを構築しています。
- オリックス
- リクルートライフスタイル(モバイル決済 for Airレジ)
- ジャックス
- セディナ
- ベリトランス(現:DGフィナンシャルテクノロジー)
- NTTデータ
- オリエントコーポレーション(オリコ)
- セブン・カードサービス
- 日本ユニシス(現:BIPROGY)
- Origami(オリガミ)
WeChat Pay(ウィーチャット・ペイメント)陣営
クレジットカード事業者や新興フィンテック(mPOS)企業を巻き込み、素早い店舗開拓を進めています。
- アプラス
- 楽天カード
- コイニー(Coiney)
- 日本ユニシス(現:BIPROGY)
(※各社公表データに基づき作成)
技術背景:決済中継事業者(アクワイアラー)の役割と重要性
クレジットカードやモバイル決済を実店舗で導入する際、店舗が各カード会社や海外決済企業と個別に直接契約を結ぶのは、事務手続きやシステム開発の観点から非常に困難です。この間に入って加盟店の審査や契約手続きを一括して行い、決済システムや端末を提供する中継役を「アクワイアラー(加盟店契約代理店)」と呼びます。
Alipayを運営するアント・グループ(旧アント・フィナンシャル)や、WeChat Payを運営するテンセント(騰訊)にとって、日本市場の複雑な流通構造や小売店の商習慣を熟知した国内のアクワイアラーと提携することは、最も効率的に加盟店網を広げる鍵となります。
特に、リクルートが展開する「Airレジ」のような既存のPOSシステムと連携するアクワイアラーを味方に付けることで、店舗側の初期投資を抑え、日本全国の決済端末のインフラを一気にアップデートすることに成功しています。
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