インバウンド消費の拡大と免税制度の追い風
総合ディスカウントストア大手のドン・キホーテは、全店での免税店舗ライセンス取得をはじめとする積極的なインバウンド対応により、訪日外国人観光客による免税売上を大きく伸長させています。
2014年10月の免税対象品目拡大(化粧品や食品類などの消耗品追加)に伴い、客単価平均は下がったものの、来店客数は10数倍へと急増しました。
現在、同社全体の売上高に占める免税売上の構成比は5.2%ですが、訪日客に人気の高い「大阪・道頓堀御堂筋店」では56.6%と半数を超え、周辺の「道頓堀店」で47.2%、「沖縄・国際通り店」でも42.2%に達するなど、特定の主要店舗がインバウンド消費の強力な拠点となっています。
圧倒的な客単価を誇る中国人観光客と決済インフラの多様化
2015年の免税購入客を国・地域別で見ると、中国(31.7%)、韓国(25.8%)、台湾(16.0%)が上位を占めています。売上高比率では中国が48.9%と圧倒的なトップとなっています。これは中国人観光客の平均客単価が約2万5,000円に達し、同社全体の平均客単価(約2,400円〜2,500円)の10倍近くに上るためです。
この旺盛な購買力を受け止めるため、ドン・キホーテでは多様な決済手段を整備しています。クレジットカードや銀聯カードに加え、子会社が開発した外貨鑑定システムを導入し、店頭での主要7通貨(中国元、台湾ドル、韓国ウォン、タイバーツ、香港ドル、米ドル、ユーロ)の現金決済に対応しています。さらに新たな取り組みとして、一部店舗にて中国の二大決済インフラの一角である「Alipay(Alipay)」の試験導入を開始しました。
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多言語サポート体制と独自のロイヤリティプログラム
店頭での円滑な接客を実現するため、同社は新宿に24時間対応(タイ語は10:00〜22:00)の4カ国語対応コールセンターを設置しました。店舗スタッフはiPadのFaceTimeを通じて通訳オペレーターに常時接続でき、多言語接客をサポートする仕組みを構築しています。
また、国内で約340万人の会員を持つグループ独自の電子マネー「majica(マジカ)」を訪日外国人向けにも展開します。多言語に対応したインバウンド専用の「ウェルカム予約サイト」と連動し、実店舗での商品受け取り時にmajicaカードを発行。チャージ時のポイント付与などを通じて、リピーター(旅リピーター)の育成とファン化を狙います。
同社は2020年までに国内外のグループ店舗網を500店舗体制へと拡大し、免税売上比率を全体の10%へと倍増させる計画であり、決済からカスタマーサポートに至るまで、インバウンド対応の高度化をさらに進める構えです。
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中国決済黎明期から10年以上の取材実績を持つ金融DX実務家、元IBMのエンタープライズITアーキテクト、外資系戦略コンサルティングファーム出身のビジネスアナリスト、およびAI・先端テックスタートアップ陣によって構成される専門リサーチ集団。現地の公式発表・法定開示・登記・特許・学術論文を直接精査し、日本の産業界へ向けて構造的で偏りのない客観インサイトを発信しています。
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