中国本土において急速にキャッシュレス化を推し進め、今や国民的な決済インフラとなった二大モバイル決済サービス、アリババグループ(阿里巴巴)の「Alipay(支付宝)」とテンセント(騰訊)の「WeChat Pay(微信支付)」。この両社が、日本をはじめとするグローバル市場への進出を本格化させている。
本稿では、急増する訪日中国人観光客(インバウンド)市場の獲得を目指す両社の日本進出戦略と、その背後にあるエコシステムの仕組み、さらに店舗側の導入における比較分析をスライド資料を用いて解説する。
1. グローバル展開と日本市場でのアプローチ
両決済サービスは、単なる決済手段としての展開にとどまらず、観光情報アプリやSNS機能を融合した「インバウンド集客プラットフォーム」として日本市場へアプローチしている。
2. ターゲット層と利用シーンの差別化
AlipayはECプラットフォーム「タオバオ(淘宝網)」や旅行予約など購買行動に直結したユーザー層に強みを持ち、高額決済での利用頻度が高い。一方、WeChat Payは巨大SNS「WeChat」のチャットやソーシャル機能をベースにしており、若年層を中心に日常的な少額決済から広がっている。
3. 加盟店手数料と決済システム連携の仕組み
日本の店舗が導入する際、決済代行会社(ベリトランスやネットスターズなど)を経由することで、接続や精算処理が一本化される。各決済サービスの手数料体系や、店舗用タブレットを用いた手軽なQRコードスキャン決済の仕組みが整備され、導入コストは劇的に低下している。
4. 今後の日本市場におけるロードマップ
2020年の東京オリンピックに向け、日本政府もキャッシュレス決済の推進に本腰を入れている。AlipayおよびWeChat Payは、大手家電量販店、ドラッグストア、百貨店からスタートし、今後は地方の観光地や中小小売店舗へと加盟店開拓のロードマップを進めていく見通しだ。
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