スマートフォンのトレンドに敏感なユーザーであれば、「WeChat(微信)」と聞いて「中国版LINE」と連想する人も多いだろう。しかし実際には、WeChatはLINEよりも数カ月早く中国本土でサービスを開始した「先輩」にあたる。2015年現在、登録アカウント数は世界で11億2,000万人、月間アクティブユーザー数(MAU)は4億4,000万人に達しており、規模においてはLINEを遥かに凌駕する。ユーザーの多くは中国国内の生活者であり、もはやスマートフォンに欠かせないインフラとして君臨している。
WeChatは、チャットや無料通話といったLINEと同等のコミュニケーション機能を備えるだけでなく、ビデオ通話や、現在地周辺のユーザーを探して繋がれる「付近の人(Look Around)」機能など、非常に多機能な設計が特徴だ。特に「付近の人」機能は、近距離にいるユーザーを顔写真やプロフィール付きでリストアップできるため、中国の若者たちの間でコミュニケーションのきっかけとして人気を集めた。
これまで日本国内での知名度は限定的だったWeChatだが、2015年7月に状況が一変した。WeChatの運営会社である中国テンセント(騰訊)とパートナーシップを結んだネットスターズが、スマートフォンを利用した決済サービス「WeChat Payment(微信支付)」の日本本格導入を発表したことで、インバウンド市場における注目が一気に高まった。
「WeChat Payment」での決済フローは非常にシンプルだ。 利用者がスマートフォンでWeChatアプリを起動し、決済用のQRコードを画面に表示する。店舗側はiPadなどのタブレット端末で専用アプリを起動して金額を入力し、利用者のQRコードをカメラで読み取る。これだけで支払いは瞬時に完了する。決済は銀行口座直結の即時引き落とし(デビット型)であるため、利用者は事前チャージやクレジットカードの手間を省くことができる。店舗側にとっても、既存のタブレット端末とアプリだけで導入できるため、高額な専用レジ端末の購入が不要で、導入ハードルが極めて低い点が中国国内での爆発的普及を後押しした。
当時、日本ではQRコードを用いたスマートフォン決済は一般的ではなかったが、中国ではすでに日常的な支払手段として定着しつつあった。
今回のWeChat Paymentの日本上陸は、増加の一途を辿る訪日中国人観光客の利便性向上を狙ったものであることは明白だ。現金の両替やクレジットカードの上限額に縛られることなく、普段使っているスマートフォンだけでシームレスに買い物ができる環境は、観光客の「爆買い」行動をさらに加速させる起爆剤として期待されている。
(情報源:ガジェット通信)
コメント
...