日本のドラッグストアの店頭は、訪日外国人によるインバウンド需要、いわゆる「爆買い」で沸いている。夜間、都内の混雑するドラッグストアの店内を覗くと、多くの中国人観光客や留学生が行列をなしている。
特に人気を博しているのは、ライオンの足用冷却シート「休足時間」や、資生堂の洗顔料「専科 パーフェクトホイップ」だ。さらに風邪薬、胃腸薬、歯磨き粉に至るまで、多種多様な日本製品が飛ぶように売れている。
新宿の街では、単なる観光客だけでなく、日本に居住する中国人留学生の存在感も大きい。四川省出身で都内の大学院に通う中国人女性は、アルビオン(ALBION)の高級化粧水「薬用スキンコンディショナー エッセンシャル」を購入していた。「中国の友人に頼まれて買いました。現地の女性の間でアルビオンは絶大な人気があります」と彼女は話す。
彼女は来日当初、居酒屋などのアルバイトで生活費を稼いでいたが、約1年前から日本製品の「代理購入(ソーシャルバイヤー)」ビジネスを始めたという。メッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」を通じて中国にいる友人やそのネットワークに向けて日本の化粧品情報を発信し、購入代行の依頼を募る。
決済にはモバイル決済サービス「Alipay(支付宝)」を使用する。注文を受け、Alipayで事前に代金の入金を確認してから商品を買い付け、中国本土へと配送するため、代金未回収のリスク(取りはぐれ)がない。代理購入の手数料(利益)は、商品価格が1万円未満の場合は20%前後、1万円以上の場合は15%程度が相場だという。
「代理購入による月収は10万円ほどになります。周囲の中国人留学生の約8割が何らかの形で代理購入を手がけている」と彼女は明かす。学業と両立しながら生活費や学費を賄うための重要な収入源として、このスマート決済を活用したC2C取引が定着しているようだ。
WeChat上で日本の「神薬(定番の優れた市販薬)」ランキングが話題になると、銀座や新宿のドラッグストアで特定の商品が根こそぎ買い占められる現象も頻発している。
なかでもヒットしているのが、フェイスマスク「ルルルン(LuLuLun)」(グライド・エンタープライズ)だ。42枚入りの大容量ボックスタイプが1,500円前後という、大手ブランドと比べて圧倒的なコストパフォーマンスの良さがバイヤーの目に留まり、発売からわずか4年で年商50億円に達する勢いを見せている。新宿の店頭でも「ベストコスメ大賞受賞」といったポップ広告が大々的に掲げられ、代理購入バイヤーたちの購買意欲を刺激している。
(情報源:東洋経済オンライン)
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