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    FB of 個人間送金、先行するWeChatやVenmoに勝てるか?

    Facebookが米国でP2P個人間送金機能を開始したことを受け、先行する米国のVenmoや中国のWeChat Payとの比較検証を行います。旧正月の紅包(お年玉)機能で十億件の送金を記録したWeChatの成功と、欧米ユーザーのプライバシー懸念や保守的傾向などの心理的障壁を浮き彫りにします。

    Facebook Messenger送金とWeChat Payのイメージ比較

    Facebook(フェイスブック)が、Messengerアプリを通じたP2P(個人間)送金サービスの開始を発表しました。当面は米国ユーザーのみが対象となりますが、グローバル決済市場において一つの疑問が浮上しています。はたしてこの送金サービスは、米国で先行するPayPal(ペイパル)傘下の人気送金アプリ「Venmo(ベンモ)」の脅威となるのでしょうか。そして何より、中国で「WeChat(微信)」が成し遂げたような圧倒的な成功を収めることができるのでしょうか。

    Facebook Messenger送金とWeChat Payのイメージ比較
    Facebook Messengerの送金機能(左)と、WeChat Payの紅包(お年玉)機能(右)

    先行するWeChatの圧倒的な躍進と「紅包」文化

    中国国内で5億人以上の月間アクティブユーザーを抱えるメッセンジャーアプリ「WeChat」が送金サービス(WeChat Pay/微信支付)を開始したのは2013年中頃のことです。それ以降、この決済・送金機能は多くのユーザーの生活に深く浸透していきました。

    特に象徴的だったのが、2015年2月の旧正月(春節)期間の動きです。中国のユーザー同士がWeChatを通じて送り合ったデジタルなお年玉「紅包(ホンバオ)」の件数は、期間中に実に10億件を突破しました。現金を直接手渡すという伝統的な風習を、モバイルのゲーミフィケーションと融合させて完璧にデジタル化し、人々の新たな習慣とすることに成功したのです。

    このWeChatの成功例は、Facebookの幹部陣にとっても「チャットアプリこそが送金システムの未来を変える」という強い期待を抱かせる要因となりました。同社には前年、PayPalの元社長であるデビッド・マーカス氏がメッセンジャー部門のトップとして参画しています。しかし、欧米市場において圧倒的な支持を誇るFacebookであっても、WeChatが中国で辿ったような爆発的な普及をそのまま再現するのは容易ではないとみられています。

    欧米ユーザーの「保守性」とプライバシーの壁

    調査会社GlobalWebIndex(以下, GWI)の主任アナリストであるジェイソン・マンダー氏は、「モバイル決済やMコマース(モバイルコマース)の普及速度は、欧米に比べてアジア圏や中国の方が明らかに早かった」と指摘します。

    アジアではスマートフォンの普及と同時にキャッシュレス化が進んだため、モバイル経由の決済や送金に対してユーザーの心理的抵抗が少ないのが特徴です。実際、GWIのデータでは当時のWeChatユーザーの5人に2人以上が日常的にモバイル決済・送金を利用していました。これに対し、「欧米のユーザーはこの分野に関して極めて保守的である」とマンダー氏は話します。

    米国のFacebookユーザーの半数以上は、すでにスマートフォンを通じたオンラインバンキングを利用しています。しかし、そのうち7割以上のユーザーが「SNSプラットフォームに金融情報を紐づけることによる、個人情報の流出や悪用リスク」に対して強い懸念を示しています。

    米国の送金アプリ「Venmo」の現状

    米国でも若年層を中心にP2P送金アプリ「Venmo(ベンモ)」が健闘していますが、その普及規模はWeChatに比べると限定的です。Venmoは主に25歳以下のミレニアル世代という特定のニッチ層での利用に留まっており、一般の全世代に普及しているとは言い難い状況でした。

    直近の四半期におけるVenmoの総取引額は7億ドル(年間換算で約30億ドル)で、App Storeでのダウンロード順位も上昇傾向にありましたが、毎月14億人が利用するFacebookが送金機能を統合すれば、既存の送金サービスが一気に淘汰される可能性もあります。

    それでも、メッセンジャー機能、EC、銀行機能、さらにはゲームや公共料金の支払いまでを一体化した包括的プラットフォーム(スーパーアプリ)として進化を遂げたWeChatの牙城に、欧米のチャットアプリが追いつくにはまだ長い時間がかかりそうです。

    情報源:Forbes

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