中国で急速に拡大を遂げる商業プリペイドカード(百貨店や特定の加盟店群で使える多目的プリペイドカード)市場の裏側では、決済ライセンスを取得した大手発行事業者が莫大な利益を上げている。主な収入源は、カード購入後の未利用残高から発生する「預かり金の金利息」と、加盟店や消費者から徴収する「決済手数料」の二柱だ。
当時、中国人民銀行(中央銀行)が公表した「決済機関顧客預かり金管理暫定措置(案)」に基づき、プリペイドカード残高の10%は決済準備金として特定の銀行口座に預入することが義務付けられた。しかし、残りの90%の資金管理は決済事業者に委ねられていた。多くの事業者はこの残高を自社の主要口座で運用し、金利息を受け取っていた。当時の人民銀行の3ヶ月定期預金金利は2.6%〜2.86%、普通預金金利でも0.35%〜0.385%であり、膨大なプール金を抱える事業者にとっては、金利だけで巨額の不労所得がもたらされていた。
金利収入に加え、加盟店手数料も重要な収益源だ。業種別の料率統計を見ると、美容室やエステティックサロンなどのサービス業が最も高く8%〜20%、飲食店が5%〜20%、エンターテインメント・レジャー施設が8%〜10%であった。一方で、日々の生活サービスは1%〜5%、利益率の低いスーパーやデパートは0.1%〜2%程度にとどまった。さらに、カード発行時に購入者側からも1%〜3%の手数料を徴収するケースが一般的であった。
業界関係者によれば、こうした表向きの収益に加え、一部の発行事業者はプールされた顧客預かり金(フロート資金)をリスクの高い投資商品や信託商品に回し、さらなるレバレッジをかけて資産運用を行っていたとされる。
こうした不透明な預かり金の運用状況は、後に中国政府が金融リスク排除のために規制を大幅に強化するきっかけとなった。2018年までに人民銀行は決済機関に対して預かり金の「100%集中管理(金利ゼロの人民銀行口座への預入義務化)」を断行し、この「金利ビジネス」モデルは完全に終焉を迎えることになる。2013年は、まさにこのグレーゾーンな錬金術がピークに達していた時代であった。
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