1. 中国のAI競争を「公開範囲」で読む
中国発のAIを理解するには、モデルの性能だけでなく、誰が重みを配布し、どんな条件で改変・再配布できるかを見る必要があります。Qwenの企業向け展開と、自社サーバーで動かす公開モデルでは、同じブランドでも利用条件が異なります。
本稿は2025年の概説を更新した継続参照用の入口です。以下は2026年10月16日に公式カードを確認できた具体的な版の比較で、各社の最新モデル一覧や性能順位ではありません。開発者が版を固定して比較するため、小型モデルと大型MoEを併記しています。
2. Qwen・DeepSeek・GLM・Kimi・MiniMaxの比較表
| 系統・比較する版 | 公開物と規模の読み方 | 公式のライセンス表記 | 比較の出発点 |
|---|---|---|---|
| Qwen3-8B | 公開ウェイト。公式カードは8.2Bの稠密モデルと記載 | Apache-2.0 | 小型のテキストモデルで実行環境と日本語タスクを検証 |
| DeepSeek-R1-Distill-Qwen-7B | Qwen2.5系を基にした蒸留モデル。R1本体とは別 | MIT。派生元Qwen2.5のApache-2.0も確認 | 推論モデルの出力形式・待ち時間を検証 |
| GLM-5 | 公開ウェイト。744B総パラメータ/40B活性化 | MIT | 大型MoEの計算資源と業務タスクを比較 |
| Kimi K2.6 | 公開ウェイト。1T総パラメータ/32B活性化 | Modified MIT | マルチモーダル・コード作業の条件を確認 |
| MiniMax M2.1 | 公開ウェイトと実行ガイド。配布形式も確認 | Modified MIT | コード・ツール利用と商用表示条件を確認 |
各行の一次資料は文末に掲載しています。Bは10億、Tは1兆です。MoEの活性化パラメータ数は、その処理で使う規模を表す指標で、保存すべき全ウェイトの容量ではありません。GLMとKimiの詳しい仕様はGLM-5解説とKimi K2.6解説を参照してください。
3. 同じ「公開モデル」でも条件は共通ではない
ウェイトを取得できることと、訓練データ・訓練工程まで再現できることは別です。本稿では公開ウェイトを確認できたモデルを扱い、ブランド全体を一括して「制約のないオープンソース」と呼びません。APIの利用規約もウェイトのライセンスとは別に読みます。
Kimi K2.6のLICENSEには、月間アクティブユーザーが1億人超、または月間売上が2000万米ドル超の商用製品・サービスで、UIへのモデル名表示を求める追加条件があります。MiniMax M2.1は、商用製品・サービスでUIへのモデル名表示を求める追加条件です。同じModified MITでも、この二つを同じ条件とみなすことはできません。実際の再配布時は、取得した版のLICENSEとNOTICEを保存して確認してください。
DeepSeekの蒸留版も基盤モデルごとに確認が必要です。この表のQwen系と、別のLlama系蒸留版の条件を混同しないようにします。
4. 読者の作業から次の一歩を決める
日本語の要約や資料整理を自分の端末で試すなら、まず小型モデルで入力、出力、待ち時間を記録します。大型MoEは、ウェイトの公開だけで手元の端末に収まるとは限りません。設備条件はローカル実行ガイドで整理しています。
設備を持たずAPIを比較する場合は、モデル名に加えて提供者、リージョン、キャッシュ、出力課金を揃えます。API料金ガイドには通貨と確認日を付けた例を用意しました。日本で購入できるかだけでなく、公開戦略と利用条件が中国のAI産業の競争をどう変えるかも、継続して追うべき点です。
関連ガイドと企業の動向
企業別のニュースは、アリババ、DeepSeek、智譜AI、Moonshot AI、MiniMaxの時系列ページで確認できます。
更新:2026年10月16日。既存記事を継続参照用ガイドへ再構成しました。初出日とURLは維持しています。仕様・料金は確認日の資料に基づき、実行速度や日本語能力を編集部が実測した記事ではありません。
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